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日立物流など5者共同研究、スマート安全運行管理システムに活用

運行前後の疲労度合いと事故リスクに相関関係

2019年5月27日 (月)

ロジスティクス日立物流と日立キャピタルオートリースは24日、交通事故のドライバーリスクを定量的に評価する技術を開発し、この技術を用いて運行前後の疲労度合いと事故リスクの相関関係を確認した、と発表した。

両社は理化学研究所生命機能科学研究センター、関西福祉科学大学、日立製作所と共同で、1年かけて「物流トラック運行管理における疲労科学に基づく事故リスク評価予測手法の開発」に取り組み、その研究結果としてドライバーリスクの定量的な評価技術と、疲労度合いと事故リスクの相関関係を明らかにした。

共同研究ではトラック運送業務を対象に、ドライバー・車両から運転操作を表現するセンシング項目を取得、重篤な事故につながる事故リスクKPIを定義し、センシング項目からドライバーの事故リスクを評価するシステムの確立を目指した。

車載センサーで取得した運転操作情報からヒヤリハット場面を抽出するアルゴリズムを用いた結果、単位時間あたりのヒヤリハット回数で事故リスクを定量的に評価する技術を開発。

続いて、AIによる時系列多変量の相関性分析を行い、事故・ヒヤリハットに影響を与える状況を判断、疲労科学に基づく事故リスクを評価した結果、運行前後にかかわらず、疲労感が強い場合に事故リスクが高まる傾向を確認。自律神経機能測定では、運行前に日頃の蓄積した疲労が見られる場合や、運行後に特に強い疲労が見られる場合には事故リスクが高まる傾向を実証した。

▲日立物流など5者が取り組む共同研究内容とSSCVの流れ

これらの研究結果を踏まえ、今後は運行中の疲労度合いを含め、より多くのデータを蓄積してドライバーに「適切なタイミングに適切なリコメンド」を生成できる安全運行支援、管理支援技術の開発を進める。また、研究結果から得られた知見・データをスマート安全運行管理システム(SSCV)に活かし、安全運行管理機能として拡充していく。