メディカル医薬品受託製造の武州製薬(埼玉県川越市)は、埼玉県美里町の美里工場敷地内で、大型冷蔵倉庫棟「美里コールドチェーンセンター」の運用を9月から開始する。
美里コールドチェーンセンターは3900平方メートルの冷蔵倉庫棟で、冷蔵保管管理が必要な無菌薬製剤、バイオ製剤の保管倉庫として使用する。同社は「アジアハブ戦略の重要なコンポーネント」に位置づけ、国際的な製薬会社からバルク製品を日本に輸入し、品質検査、ラベル貼付、包装といった工程を経て国内、アジア諸国への供給につなげる。
国内販売を目的とした医薬品には100%目視検査が必要で、無菌製品や生物学的製品では特に時間がかかり、高い検査技術が必要となるが、武州製薬はプレフィルドシリンジ、液剤バイアル、凍結乾燥バイアルの検査工程を改善し、無菌医薬品の検査体制を確立。プレフィルドシリンジを含む8つの包装ラインを構築し、無菌充てんラインを強化するために注射用水設備を更新する。
武州製薬の髙野忠雄最高執行責任者は「私たちのアジア市場向けのハブ戦略が実現しつつある。追加されたスペースと検査ラインにより、顧客のバルク製品の多くを国内に輸入することができ、物流とサプライチェーンシステムがより効率化される」と話している。