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都市物流などテーマ、街づくりDX化の取り組み進展

2021年8月25日 (水)

行政・団体国土交通省は24日、街づくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進するための2021年度の実証実験の状況について発表した。建設物流プラットフォームの検証など、スマートシティの社会実装に向けて現実の都市をサイバー空間に再現する三次元都市モデルの整備や活用を進めるプロジェクト「PLATEAU」(プラトー)の取り組みを紹介。社会生活を効率化する施策が実現につながるか、注目される。

出所:国土交通省

2021年度は、カーボンニュートラルや自動運転などをテーマとした実証実験に取り組む。石川県加賀市の「太陽光ポテンシャル推計・反射光公害シミュレーション」は、建物の屋根面積や傾き、隣接する建物による日陰発生など、3次元都市モデルのデータを生かした都市スケールの太陽光発電ポテンシャル推計などのシミュレータを開発。都市における太陽光発電の普及拡大に向けた施策検討への有用性を検証する。

静岡県沼津市の「自動運転車両の自己位置推定におけるVPS(Visual Positioning System)活用」は、カメラ画像からの情報と3次元の都市モデルの特徴点を照合することで、車両の位置を推定する。自動運転システムへの活用に向けた可能性について検証を進める。

このほか「工事車両の交通シミュレーション・バージョン2」は、都市開発の大規模建設工事で円滑な資材搬入を目指し、3D都市モデルを用いた工事車両の搬入経路シミュレーターを用いて建設物流プラットフォームの構築を実証。

さまざまな地域から工事現場へ多くの工事車両や工事関係者の通勤車両が押し寄せることを想定し、現場付近の交通渋滞の発生、地域住民が抱く安全や騒音に対する不安、これらに起因するトラブルに配慮しながら、建設工事のスケジュール遅延を防止するため、人員や資材を工事現場へ計画通りに搬入できるようにサポートする狙い

今回の実証実験では、25年大阪・関西万博の開催に伴い再開発が活発化している大阪市で、3D都市モデルを活用して道路幅員や騒音影響、スクールゾーンなどを考慮した工事車両が通行ルートをシミュレートするプロトタイプを開発した前年度の取り組みから対象エリアを拡大。

使い勝手の改善、道路幅・電線・信号機・標識・樹木など、道路空間の詳細なオブジェクトを3D都市モデルに取り込み、緻密な干渉チェック機能の実装を目指す。最終的には、地域住民の安心と円滑な工事を両立させる「最適」な工事車両ルートの計画策定ソリューションの提供を想定する。