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「ロジザード物流ロボットセミナー2022」でワイ・インターナショナルの物流最適化策を披露

三菱倉庫、EC特化型物流施設の企業活用事例を公開

2022年5月24日 (火)

話題三菱倉庫は24日、「ロジザード物流ロボットセミナー2022」で、21年7月に稼働したEC(電子商取引)向け物流センター「SharE Center misato」(シェアセンター三郷、埼玉県三郷市)におけるギークプラス(東京都渋谷区)の提供するAMR(自動棚搬送ロボット)の導入事例を公開した。

▲「ロジザード物流ロボットセミナー2022」に登壇した三菱倉庫の加藤栄一・倉庫事業部長(右から2人目)

三菱倉庫は昨今のEC市場の拡大に伴う物流需要の高まりに対応するため、ECに特化した物流センターとしてSharE Center misatoを開設。EC事業者の抱える多様な物流ニーズへの対応とともに生産性の向上や省人化を目的として、ギークプラスのAMR「EVE P500R」50台を導入した。

EVE P500Rは、仕分け作業を行うピッキングエリアでAI(人工知能)ロボットが棚を運ぶなど、作業員に代わって商品を探し運搬することで商品のピッキング作業に要する時間を大幅に削減できるのが特徴だ。さらに、EVE P500Rはロジザードの提供するクラウド型WMS(倉庫管理システム)「ロジザードZERO」と標準連携して様々な物流ニーズへの対応が可能なのも、三菱倉庫が採用を決めた理由の一つだ。

今回のセミナーでは、スポーツサイクル専門店「ワイズロード」を全国に33店舗展開するワイ・インターナショナル(東京都豊島区)によるSharE Center misatoの活用事例について、三菱倉庫の加藤栄一・倉庫事業部長が披露した。

▲「SharE Center misato」における物流ロボット導入の意義について語る加藤氏

ワイ・インターナショナルは、新型コロナウイルス感染拡大などを契機とした消費スタイルの多様化に伴うECの急速な普及に対応して、自転車や関連用品のECサイトによる販売ビジネスを成長領域の一つに位置付けている。しかし、EC事業の拡大には、ECサイトの売上増に対応した物流機能の確保や倉庫在庫のリアルタイムでの把握が不可欠で、その体制構築を急ぐ必要があった。

そこで、三菱倉庫が開設したSharE Center misatoに着目。ロジザードのクラウド型WMSと連携したギークプラスのEVE P500Rを活用できる先進的EC専用物流センターである強みを生かした倉庫運営を実現し、前年比で4倍の売上高を記録するほど盛況だったセールにも遅配なく対応できるロジスティクス体制を構築した。

システム連携により倉庫在庫のリアルタイムで確認することが可能になったことで、より的確な商品納入や在庫調節が可能になった。さらに、物流の品質や拡張性に加えて運用面でのアウトソーシングが可能になったことで、商品の配送における不安を解消できたメリットも生まれた。

ワイ・インターナショナルが物流機能の強化を重視する理由は何か。それは、20年11月のブラックフライデーセールにおける苦い経験がある。当時活用していた倉庫が物量的にもシステム的にも急激な販売の伸びに対応できず、顧客への納品が大幅に遅れてしまったのだ。倉庫をはじめとする物流機能はECビジネスにおける「生命線」であると思い知らされた教訓が、SharE Center misatoに強い興味を寄せた理由だった。

新しい物流拠点の選択における条件として、「システムを相互に協力して開発していけるか」「物流費を固定ではなく変動制として扱っていけるか」「3PLとしてオペレーション業務を任せられるか」の3点を設定。その条件を満たす物件として白羽の矢を立てたのが、SharE Center misatoだった。

三菱倉庫の加藤部長は「『オペレーション業務を全て任せることができる』点で、ビジネス拡大に不可欠な信頼できるパートナーとして三菱倉庫のSharE Center misatoを選んでいただいた。今後も継続してビジネス展開を支援していきたい」と意義を語った。

▲ワイ・インターナショナル「三菱倉庫はパートナーとして協力体制が取れている」

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