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「危険物倉庫緊急サミット」迫真レポート/第9回

2022年6月1日 (水)

話題LOGISTICS TODAY(東京都新宿区)が5月19日開催したオンラインセミナー「危険物倉庫緊急サミット」の迫真レポート。第9回は、プロロジスの危険物倉庫開発の最前線に迫ります。


マルチテナント型からBTS型まで、幅広い危険物倉庫を展開するプロロジス

<LOGISTICS TODAY赤澤裕介編集長>
建物という意味では、自分のところで開発・建設していくと同時に、先程から出てきているのは、建物を借りる考え方。借りる選択肢について、もう少し深堀していきたいと思います。プロロジス様より、賃借の選択肢についてもう少し視聴者の方に、賃借をどのように利用すればいいのか、あるいはこれまでどういう開発をしてきたのか実績を紹介してきたり、深掘りしていただければと思います。

<プロロジスエグゼクティブ・ディレクターの小出敦子コンストラクション・マネジメント部長>
プロロジスの開発実績について、簡単にご説明させていただければと思います。こちらの資料が、竣工年ごとの弊社の開発実績となっております。現在工事中の施設を含めまして、110棟の開発実績がございます。この中で大きな倉庫を作り、複数のお客様に分割して頂く形のマルチテナント型が65棟、特定のお客様専用の施設のBTSが45棟ございます。このグラフの中で赤い印をつけている施設が、危険物倉庫を併設している施設になっております。110棟のうち15棟で併設した実績がございます。

15施設の内訳としまして、先程マルチテナント型とBTSでご紹介をさせていただきましたが、15施設のうち9施設がBTS。特定のお客様が本体倉庫を作った時に併設したケースとなっております。45棟のBTSの施設開発のうち、9棟が危険物倉庫の併設になります。割合としては5棟のうち1棟が危険物倉庫を併設することになります。今回実績を見て、多いという感想であります。こうした特定のお客様の施設に対しては、お客様の要望に合わせてカスタマイズをして危険物倉庫を併設する事例になっております。我々のお客様としましては、医薬品や日用品のお客様が多いですので、この本体建物、一般品と合わせて危険物を同じ拠点で扱いたい需要が多いと感じております。

マルチテナント型の危険物倉庫併設の事例を紹介させていただきます。こちらは2008年竣工の、千葉県にある「プロロジスパーク市川1」。この建物の右下にある、グレーの屋根で平屋でできているのが、1000平方メートルほどの危険物倉庫になっております。こちらは工業専用地域になっています。
同じく「プロロジスパーク川島1」。2011年竣工の、マルチテナント型施設です。写真右上に、1000平方メートルの危険物倉庫を併設しております。このマルチテナント型2施設において、10年以上前に危険物倉庫の併設を取り組んだ事例があります。当時、竣工後しばらくは危険物倉庫は空き区画となっておりました。我々としては需要があるだろうと思って建てましたが、2〜3年ほど経過して、実際にお客様が決まった事例でした。

次は最新のマルチテナント型施設での併設事例です。兵庫県の猪名川に作りました「プロロジスパーク猪名川1・2」、2021年竣工の施設でございます。こちらは大きな施設が2棟ございまして、1棟5万坪ほどの施設になります。2棟の危険物倉庫、合計で4棟を併設した施設となっております。当初の計画より、危険物倉庫を建てる予定はありましたが、実際に設計段階でお客様に具体的にニーズをいただきまして、同時開発した事例となっております。こちらがクローズアップした写真。こういった形で2棟作っておりますが、こちらについては、竣工と同時に満床になっている状況です。

次に、プロロジスパーク古河フェーズ1で、3棟のBTSを建設しております。こちらが工業専用地域、工業団地内という立地です。危険物倉庫を建てられる立地ということで、空撮写真で見ていただけるように、こうした複数棟の計画が実現した事例となっております。

新しい危険物倉庫のイメージを創出する「古河プロジェクト」

<プロロジスエグゼクティブ・ディレクターの佐藤英征営業部長>
茨城県古河市で開発中の「プロロジスパーク古河4」の事例をご説明させていただきます。2023年3月末に竣工を目指して建設中です。規模は延床面積で12万3000平方メートルになります。こちらが1階の平面図になります。施設形状としましては、3階建てのマルチテナント型施設。右側に写っているものです。左側に小さく写っている、危険物倉庫を併設する形となっております。マルチテナント型施設の方は、ワンフロア9000坪ありまして、大規模での効率的なオペレーションが可能な作りになっております。

次の動画は、古河プロジェクトの全景をドローンで撮影したものとなります。古河プロジェクトは、全体で敷地合計28万平方メートルになりまして、当社最大級の開発プロジェクトになっております。クレーンが立っているのが、先程いいました古河4になります。奥側に、プロロジスパーク古河1・2・3が写っています。BTS施設として2区画2万坪と、1万3000坪の敷地を所有しています。こちらが、逆側から2敷地を撮影したものとなっております。このBTSの2区画2万坪と1万3000坪につきましては、普通倉庫はもちろんのこと、工業専用地域内にありますので、危険物倉庫を追加することも可能です。

こちらが建物のCGとなっております。この建物は1階と2階にトラックが着車する形になっておりまして、2階にはスロープが両面から上がっている、ダブルスロープの両面バース形式を取っております。それにより、2階と3階のメゾネット区画に対してバース比率を高める効果があります。別棟に300坪の危険物倉庫も併設しております。

<赤澤氏>
私も今初めて動画を拝見いたしました。これほど進んでいるのだなと。ひょっとしたら数年後には一般の物流倉庫とスペック的にもかなり遜色ないようになってくるのではないか。これが全国たくさんのところに立ち上がっていくのかなと思うとワクワクしてくる次第でございます。


第10回(最終回)は、日立物流グループの掲げる危険品ビジネスの方向性を紹介します。

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