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「第3回関西物流展」大阪で開幕、コロナ禍で存在感

2022年6月22日 (水)

話題「第3回関西物流展」が22日、開幕した。インテックス大阪(大阪市住之江区)を会場に、24日まで3日間開催する。同時開催の「第1回マテハン・物流機器開発展」を合わせて、主に西日本に拠点を置く311の物流関連企業や団体、自治体などが出展する。

初日となるこの日は、関西の物流関係団体や出展企業のトップらが参加してテープカットを実施し開催を祝福。開場とともに、荷主企業や流通業界の関係者らが続々と来場し、関心の高さをうかがわせた。

2019年にスタートした関西物流展は、新型コロナウイルス禍に翻弄され続けた。第2回は20年10月から21年6月に延期。第3回についても当初計画のことし4月から6月に変更を余儀なくされた。とはいえ、コロナ禍がもたらした経済活動の変化は、関西における物流関連の見本市が果たすべき役割を再定義する契機となった。

3回目となる今回の出展各社の訴求ポイントは、「物流コスト削減」「物流DX(デジタルトランスフォーメーション)」「SDGs」「労働環境改善」の4つだ。出展者が独自技術やサービスを提案。新型コロナウイルス感染拡大は商談機会の減少だけでなく受注までの時間が延びるなど、様々なマイナス影響をもたらしたと指摘されている。今回の関西物流展は、こうしたダメージから脱却しビジネス機会を獲得できる好機になる。

社会動向の大きな変化への対応が迫られる物流業界にとって、こうした問題の解決に向けた新しい技術や製品・サービスを創造する機会となる。会場では、ブース出展のほか、物流業界で先進的な取り組みを進める経営者や専門家が、物流業界の最新事例や、自社製品・サービスの導入メリットなどを紹介するセミナーも開催する。

新しい意義付けが生まれた関西物流展、その成果は如何に

3回目となる関西物流展が、当初予定より2か月遅れて開幕した。19年のスタートから3年、まさにコロナ禍に翻弄された関西物流展だが、今回ほどその開催意義が注目される見本市はないだろう。そこには、コロナ禍が変えた社会の構図が色濃く反映されている。

▲第3回関西物流展事務局の岩本匡史営業企画部長

「『初出展』『関西で初公開』をアピールする出展ブースが目立っている。第2回までと比べて明らかに異なる傾向だ」。展示会事務局の岩本匡史・営業企画部長は、今回の関西物流展の開幕にあたって、出店者の訴求ポイントに変化が生じていると感じている。

コロナ禍による行動制限は、社会のあらゆる部分にパラダイムシフトを引き起こした。出張はオンラインに、オフィス通勤は在宅勤務に、といった具合だ。東海道新幹線の輸送実績が、未だにコロナ前の水準に戻っていないのはその象徴だ。こうした行動シフトはもはや一過性の現象ではなく、当たり前の動き方として定着してしまったと考えるのが妥当だろう。

関西物流展はこうした新しいビジネス様式を反映して、「関西における対面での商談機会」と再定義されたのだ。コロナ禍が広がって以降に関西での商談が停滞していた実態を反映した現象。関西物流展の開催希望の高まりは、こうして逸失した営業機会を挽回する思惑も強いのだ。

こうした観点で関西物流展を巡ると、新たな物流課題の本質が見えてくる。新しい物流展の味わい方を堪能してみるのも、興味深い体験になるのではないだろうか。(編集部・清水直樹)

■関西物流展実行委員長・谷鉄也氏挨拶

■近畿トラック協会会長・中川才助氏挨拶