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24年問題対応やDX加速へ決意新た、年頭所感

2023年1月4日 (水)

ロジスティクス多くの企業で2023年の仕事始めとなった4日、物流関連の企業や団体も本格的に始動した。ウクライナ情勢や新型コロナウイルス禍の終息、物価高の先行きが見通せないなか、来年に迫った「2024年問題」への対応や物流DX(デジタルトランスフォーメーション)加速に向け、新たな施策や取り組みに対して決意を新たにしている。4日までに発表された各企業が従業員らに向けて発信した年頭所感を紹介する。

センコーグループホールディングス・福田泰久社長「SDGsに高い意識、環境変化への対応」

昨年4月から新しい中期経営5か年計画をスタートさせました。2026年度に売上高1兆円、営業利益450億円といった収支目標などに加え、今回は、CO2排出削減量や女性管理職比率などの非財務指標の目標数値も対外公表しました。世界規模で持続可能な社会の実現が求められている今、お客様も自社を含めたサプライチェーン全体でSDGsの実現を目指されていますし、学生もかなり高い意識を持っています。それだけに、今後この分野の取り組みをしっかりと進めなければ、事業の維持・拡大や人材の採用にも支障をきたしかねません。

そして、グループ経営にとって最も大事な資産は言うまでもなく人材です。そのため中計においても、従業員が自分らしく、ワクワク働ける職場を実現し、働き甲斐と個人の成長の実現を図る方針を掲げました。この方針の実現のためには、コミュニケーションが大切だと考えています。例えば、同僚や関係先との積極的なミーティングの中で、自身の考えを整理し、知見を広げることで成長が図れるでしょう。また、さまざまな文化・スポーツ活動への参加や部活動の応援などを通じて、コミュニケーションをさらに深めて欲しいと思います。

さらに中計目標達成に向けて意識してほしいことは、環境の変化にどのように対応するか、自身が常に考えて行動するということです。日本国内は少子化などによる市場の縮小で、物流や商流の長期的な減少は避けられませんが、世界規模では人口は右肩上がりで増え、国内でもインバウンドやEC(電子商取引)の拡大、健康への関心の高まりなど、ビジネスチャンスの芽はたくさん溢れています。日々最前線で業務にあたる皆さんも、そのような目を持てば、必ず自らの業務に関して変化の芽に気付くはずです。それをどのようにつかみ、取り入れて、行動に移すか、ここに仕事の面白さがあると思います。今年一年、ワクワクできるような変化と取り組みの機会を自ら見つけ、実現に向けたチャレンジをお願いします。

SBSホールディングス・鎌田正彦社長「EC物流強化で売上5000億円」

昨年は西新宿にグループ本社を集約して情報一元化やスピード感が早まりました。業績面では売上高、営業利益とも最高値を更新する見込みであり、従業員の皆さんの頑張りに心から感謝します。

これまで、さまざまな会社がグループ入りしてきましたが、絶えず攻めて売上を増やし続ける会社は販管費率が下がる傾向にあります。販管費が下がることでお客様に低コストでサービスを提供できるようになり、それが利益につながり、さらに投資につながり、そして社員の幸せにつながってすべて解決です。

グループ挙げての営業施策として「EC1000プロジェクト」を発足させました。これはECの将来の発展を鑑み、2030年までに1000億円のEC物流を取り込むというものです。昨年12月に開設した越谷のLTラボでさまざまなロボットを試しながら、システム、撮影、採寸、運用など、最先端技術でEC物流に必要なメニューを完成させます。24年に竣工する野田瀬戸物流センターを手始めに、ロボットが縦横無尽に動き回るEC物流センターを稼働させて、見学に来られるお客様に感動していただこうと思います。

23年は円安、原油高、光熱費高騰、海外のインフレ傾向と、当社にとって厳しい年になりそうです。また、投資家の皆様からはESG経営の一層の強化を求められています。どのような時代が来ようと、私たちは社会に適応し、変化に対応し、進化し続けなければなりません。売上高5000億円までもうひと頑張りです。今年はうさぎ年にちなみ「跳(飛び跳ねる)」がキーワードです。物流企業のトップティアを目指して思う存分飛び跳ね、“For Your Dreams”のもと、夢に向かってまい進しましょう。

日本物流団体連合会(物流連)・池田潤一郎会長「変わる物流の姿」へ標準化とデジタル化推進

昨年は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発し、食料やエネルギーをはじめとする物価が高騰し、世界各国でインフレが深刻な問題となりました。インフレ抑制に向けた欧米の中央銀行による金融政策は急激な円安を加速させ、世界的な景気後退懸念が高まりつつあります。

国内に目を転じますと、新型コロナウイルス感染症のまん延はいまだ終息の見通しが立たない状況にはあるものの、水際対策の見直しが行われ、移動の制限も少なくなるなどウイズコロナのもとで「新しい日常」と共に経済活動が確立されはじめている感がいたします。

物流を取り巻く環境は、このような国際情勢や感染症の影響でグローバルサプライチェーンの混乱が続くなか、物流を止めないことに注力した一年でもありました。我々物流事業者にとって最も大切なことは、安全な輸送を通じ、人々の生活を支えるさまざまな生活必需品や物資、エネルギーなどの輸送を絶やさず、安定した輸送を提供し続けることでグローバル経済や社会の持続的成長を支えることにあると思います。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によりサプライチェーンのあり方や、物流の姿そのものが変わりつつあります。物流の担い手が減少するなかで、運転や荷役の自動化への取り組みや、輸送の効率化に向けた「共通基盤の構築」、感染を防止するための非接触による受け渡しなど、さまざまな取り組みを並行して進めていく必要があります。そしてこれらを可能とする前提は、「物流標準化」と「デジタル化」の推進です。これらについて物流業界を超え、官民連携、他産業との連携を一層強化しながら推進していく所存です。

日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)・吉野雅山会長「WebKIT、新機能で標準運賃を普及」

本年の日貨協連事業につきましても、働き方改革への対応に伴う諸問題をはじめ、中小トラック運送事業者が抱える課題の克服に向け、各協同組合・連合会が十分な機能と役割を発揮できるよう各種事業を積極的に推進してまいります。
 
高速道路料金問題につきましては、昨年10月に閣議決定し、11月の補正予算にて大口多頻度割引制度における最大50%の割引が継続されることになりました。高速道路の有効利用は輸送効率の改善につながり、働き方改革に結び付く最も重要な課題の一つであり、今後とも大口・多頻度割引制度の実質50%恒久化とともに、用地代控除による料金の引き下げをはじめ、本四高速及び深夜割引、長距離逓減割引の充実、さらにSA/PAの整備拡充などの高速道路要望活動に引き続き積極的に取り組んでまいります。
 
燃料問題につきましては、昨今の燃料価格高止まりもあり、昨年は日貨協連の燃料価格交渉にご参加頂く組合が2組合増えて6連合会49組合となり、その取扱量も前年対比で9%増加いたしました。毎月の燃料情勢は可能な限り会員の皆様にお伝えすべく、機関紙「月刊日貨協連」をはじめ、メルマガを通じて情報発信を行うほか、さらに業界紙の取材にも積極的に協力するなど、情報発信力を強化してまいります。
 
「求荷求車ネットワークWebKIT」につきましては、官民挙げて「物流DX」の推進が提唱されるなかで、最近の情勢変化をいち早く捉え「標準的な運賃の自動表示機能」「傭車追跡機能」「テレビ会議機能」の3つの先進機能を追加し、システムの名称をWebKIT2プラスとして使い勝手を改善したものをご提供いたしました。WebKITの会員ID数はコロナ禍にあっても増加を続け、昨年は6500を超え、6600が目前となっております。今後は新たな機能を活用し、標準的な運賃の普及と新たな輸送サービスの展開に期待をかけているところです。

日貨協連もこれまで取り組んでまいりました「高速道路問題に関する各種要望活動」「燃料問題への取り組み」「働き方改革への取り組み」「協同組合活用方策への取り組み」などの成果を上げるべく引き続き努力してまいります。また過年度より取り組んでまいりました自動点呼機器に関しましては、昨年12月に乗務後自動点呼実施要領が実施され、本年1月より乗務後自動点呼制度がスタートしたところです。引き続き、乗務前自動点呼につきましても実現に向け努めてまいります。

年頭所感、鈴与・ムロオ・郵船ロジなど

年頭所感、西濃・近鉄エクス・商船三井・JILS

年頭所感、三井倉庫・日本倉庫協会・JIVAなど

全ト協会長、年始めに運賃交渉など荷主対策へ決意