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年頭所感、三井倉庫・日本倉庫協会・JIVAなど

2023年1月5日 (木)

ロジスティクス5日に発表された三井倉庫ホールディングス、日本倉庫協会、日本産業車両協会(JIVA)、日本自動車販売協会連合会の年頭所感は次の通り。

三井倉庫ホールディングス・古賀博文社長「物流を支える責任と誇りを」

新たな中期経営計画がスタートして既に半年以上が経ちました。この中計は、前中計の取り組みを「深化」させ当社グループ独自のビジネスモデルをもって「攻勢」に出る成長フェーズと位置付けていますが、皆様のおかげでまずは順調なスタートを切ることが出来たと感じています。現状について3つの成長戦略の柱と関連付けて少し説明します。

まず、成長戦略の一つである、「グループ総合力結集によるトップライン成長」についてですが、多くのお客様が安定的なサプライチェーンの重要性を意識され、高い関心を持っている現在、まさにお客様のサプライチェーンを最適化する当社グループ独自のビジネスモデルを確立・提供するものとして既に着実な成果を挙げつつあることは業績からも明らかです。これに加えて優れたソリューションをお客様に提供するための現場力の強化、つまり「オペレーションの競争力強化」は、私たちの成長を支える重要な柱であり、今後もお客様から選ばれ続けるために大切にしなくてはならない要素です。前中計期間から進めてきた「標準化」を土台とし、「テクノロジー」と「人の力」の融合を進め、効率的で最適なオペレーションによる業務品質の向上、そしてローコスト化を通じて競争力を高めたいと考えています。

次に中計の策定と併せ、新たに制定された「グループ理念」について改めて説明したいと思います。まずは存在意義であるPURPOSE(パーパス)です。「社会を止めない。進化をつなぐ。」この言葉には、これまで私たちが物流サービスを通じて社会に提供してきた価値に対する自負、そして今後も進化を支え続けていくという決意が込められています。社会における私たちの「存在意義」であり社会への「提供価値」であるこの言葉を胸に、これからも物流の未来を見据えて活動していきます。

次に中長期的に目指す姿である VISION(ビジョン)です。「いつもも、いざも、これからも。共創する物流ソリューションパートナー」この言葉は、いかなるときもお客様や社会の進化をつなぐ存在として、いろいろなパートナーと共創しながらお客様の企業価値の向上を実現する物流ソリューションパートナーを目指す、というグループの姿を表しています。この姿を実現するために中計2022で掲げた施策を推進していきます。

そして VALUE(バリュー)が、「PRIDE」(プライド)「CHALLENGE」(チャレンジ)「GEMBA」(ゲンバ)「RESPECT」(リスペクト)の4つです。この4つは、VISIONを実現するための私たちの価値観・行動指針を示しています。社会基盤としての物流を支える存在としての「PRIDE」、お客様や社会の発展に資する新たな提案や「CHALLENGE」、そして私たちの価値の源である「GEMBA」を起点とし、多様な個性を「RESPECT」し合う社風を通じて、心豊かな社会の実現に役立つ存在になることをそれぞれ表しています。これら4つのバリューを意識し、重要な社会インフラとしての「物流」を支える責任と誇りをこれからも持ち続けていただきたいと思います。

取り巻く環境の変化は想像もつかないほどの速さと規模であらゆる社会活動に影響を与えています。そして物流業界においては競争がますます激化しているところです。そのような状況ではありますが、これまでの皆様の取り組みとその成果をもってこの競争に勝ち残っていきたいと考えております。これからも物流サービスの提供を通じたより良い社会と自らの成長の実現を目指し、この新たな年、新たな時代を、共に進んでまいりましょう。

日本倉庫協会・久保高伸会長「倉庫税制、軽油引取税の免税の延長を要望する年に」

昨年は、新型コロナウイルス感染症による制限が少しずつ緩和されてきているものの、ロシアによるウクライナ軍事侵攻、エネルギー価格に代表される物価上昇、急激な円安などと、激動の一年でした。このような状況では先を見通すことが難しく、不透明感や不安感が高まっています。そのなかでも、我々倉庫事業者の足元における課題はエネルギー価格の高騰です。倉庫事業単独で言えば、電気料金の高騰ですが、運送部門を持っている事業者も多く、燃料コストも含めたエネルギー価格全体の高騰が経営上の重しとなっています。

このような状況を踏まえ、当協会では、昨年4月から、自民党の各種会合や政府との意見交換の場において、電力料金の高騰に対する価格転嫁の政府としての取り組みや倉庫事業者に対する支援措置などを要望し、一定の成果を得たと考えています。本件は引き続きの課題であり、その動向を注視しつつ必要な取り組みを行っていく考えです。また、昨年は当協会が長年要望してきた事柄が実現した年でもありました。

一つは、大型庇に関する建築基準法令の規制緩和です。これは東日本大震災の後から要望を始め、ついに今年の4月から実現されることとなったものです。また、災害時対応として、倉庫事業者に対する非常用電源設備の補助制度も要望しておりましたが、先般成立した補正予算において手当がされたところです。通常の活動に加え、会員事業者の声を聞いて、今後ともこのような要望活動を行っていきたいと思います。

まだまだ、コロナ禍の状況ではありますが、感染症対策を取りつつ、総会や評議員会、各種委員会活動を通常通り開催してきており、12月の常任理事会では立食による懇親会も開催し、対面でのコミュニケーションの重要性をあらためて実感したところです。さて、当協会の活動状況についてもいくつか紹介しておきたいと思います。

昨年の新たな活動の一つとして、倉庫業の認知度向上のために倉庫業PR動画を完成いたしました。非常に好評であり、本年は就職活動に活用することを目的としてその第2弾の作成に取り組んでいるところです。また、会員事業者が活用可能な国の補助制度をまとめた補助金ガイドブックの作成や物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためのガイドラインの作成、周知も行ってきています。これに加え、高齢者雇用促進ガイドラインの作成にも取り組んでおり、来年度末を目途に完成させる予定です。

さて、今年の最大の仕事は、なんといっても税制改正です。「倉庫用建物等の割増償却」ならびに「倉庫等に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例」いわゆる「倉庫税制」の延長に加え、軽油引取税の免税の延長も要望する年となっています。しかしながら、「倉庫税制」については、税務当局から強く廃止を求められてきており、まさに正念場を迎えます。極めて厳しい折衝が予想されますが、国土交通省のご指導を得ながら税制特例措置の延長を実現していきたいと考えています。

日本産業車両協会(JIVA)・水野陽二郎会長「課題解決へソリューション提案で業界ミッションを再定義化」

厳しい内外の情勢ではあるものの、産業車両の国内生産額については、2022年1〜10月の累計で約10%の増加となっており、主力機種のフォークリフトでも、国内販売台数が3年連続で増加すると見込まれています。特に電気車の比率は約65%にまで達する状況です。

協会もウィズコロナの下、活動が制約される状況ではございますが、「物流の効率化」「安全の向上」「環境負荷の低減」への貢献による業界の健全な発展と世界トップの業界であり続けるために、この3つのミッションを果たすためさまざまな取り組みを実施してまいりました。

手荷役から機械荷役への転換による作業の効率化を実現するため、フォークリフトなどの産業車両のさらなる活用と物流の自動化の加速が求められており、協会としても建設的な意見具申や提案を行っているところです。

次に「安全の向上」に関しましては、フォークリフトなどを用いた荷役作業の安全対策に関する、官・民の検討会にも参加し、厚生労働省に規格の拡充や法令の見直しを提言させていただきました。今年も7月初旬に第3回「フォークリフト安全の日」を開催できるよう準備を進めておりますので、こうした取り組みの成果の一端も発表できるようにしたいと考えております。

最後に「環境負荷の低減」に関しましては、2050年カーボンニュートラルの実現という日本の目標達成に貢献すべく、産業車両業界では、かねてより電気車、さらには水素を用いる燃料電池車の開発と普及促進によるCO2排出削減に取り組んでまいりました。またカーボンニュートラル行動計画の着実な推進を進めており、21年度の工場からのCO2排出量を、基準年度である05年度実績から約4割削減することができました。

さらに2030年の削減目標の上積み、さらには2050年に向けたビジョンの策定を進めており、まもなく皆様にもご披露できる見通しですが、加えて、引き続き製品・ソリューションのご提供により、お客様の事業所での脱炭素化の目標達成にも貢献してまいりたいと考えております。

物流の世界でも、AIやIoT、ロボット、そしてDXなどの新技術が加速的に導入・活用され、大きな変化の時代を迎えております。産業車両業界としましても、製品の単なる提供にとどまらず、ソリューションの提案による課題解決へという業界のミッションの再定義化も図りながら、物流の発展に貢献してまいりたいと考えておりますので、会員の皆様のご協力ご支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。

日本自動車販売協会連合会・金子直幹会長「自動車関係諸税の抜本見直し課題」

本年も、自動車業界としては、カーボンニュートラルの実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)の推進や、生産性向上、新たなサービスの創出などに向けたDXの推進など、引き続きこうした新たな課題への挑戦を加速していかなければなりません。とりわけカーボンニュートラルについては、2035年までに新車販売の100%を電動車とするなど、明確な国家目標も示されております。その実現のプロセスにおいては、ユーザーである国民の皆様との接点にいる我々ディーラーの役割が極めて大きいものと考えます。

電動車の販売促進はもちろん、充電設備などのインフラ整備についても積極的に推進し、また、改めてユーザーにエコドライブの重要性を発信するなど、さまざまな形で取り組みを進めていきたいと考えております。さらに、個々のディーラー企業において、自ら排出する温室効果ガスの削減に率先して取り組んでいくことも重要であります。自販連といたしましては、今後、自動車販売業界としての行動指針をしっかりと示し、脱炭素に向けた取り組みを加速してまいります。

GXやDXを推進していくとともに、その先にある将来のモビリティー社会を構想していくことが極めて重要であります。自動車を中心とした新しい技術やビジネスモデルを通じ、社会の安心・安全の実現、社会の効率性向上、環境負荷の低減、新たなモビリティー体験の創造など、地域も含めた社会課題を解決し、人々の暮らしが豊かになる将来のモビリティー社会を目指していかなければなりません。その実現にあたっては、550万人の自動車産業の仲間はもちろん、モビリティーに関連する幅広い産業界との連携が不可欠になるものと考えております。

昨年末に発表された令和5年税制改正大綱においては、エコカー減税が3年間延長され、かつ現行の税率区分が本年末まで据え置かれることとなりました。車の納期が長期化するなか、ユーザーの皆様に対する配慮がされたものと評価しており、改めて関係者のご努力に敬意を表する次第です。

他方、車体課税を含めた自動車関係諸税の抜本見直しにつきましては、今後の検討課題となりました。かねてから自販連として要望しているとおり、諸外国と比較して過重なユーザーの税負担の軽減、税体系の簡素化を実現していかなければなりません。G7各国を比較しても、過去30年、自動車販売が大きく減少しているのは日本のみであり、その大きな要因の一つが税負担の重さであると考えております。

新たなモビリティー社会を実現するためには、それにふさわしい税制の実現が不可欠であります。モビリティーの多様化やこれを受けた利用者の広がりなど、将来のモビリティー社会をしっかりと視野に入れた、骨太でバランスの取れた議論が行われることを強く期待いたします。ユーザーの声、地方の声が国政に届くよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

24年問題対応やDX加速へ決意新た、年頭所感

年頭所感、鈴与・ムロオ・郵船ロジなど

年頭所感、西濃・近鉄エクス・商船三井・JILS

全ト協会長、年始めに運賃交渉など荷主対策へ決意