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三井E&S、燃料電池RTガントリークレーンを開発

2023年4月19日 (水)

▲FC パワーパック搭載の RTGC(出所:E&S)

ロジスティクス三井E&Sは18日、世界初の燃料電池(FC)を動力源としたラバータイヤ式門型クレーン(RTGC)の開発と実証実験に成功したと発表した。従来のハイブリッド型RTGCでは達成できなかったゼロエミッション化や、長時間の稼働と充電時間の短縮を実現する。

従来のハイブリッド型RTGCは、ディーゼルエンジンなどで構成された発電機セットとリチウムイオン蓄電池が搭載されているところ、今回開発したRTGCでは発電機セットをFCや水素タンクで構成されたFCパワーパックに置き換え、リチウムイオン蓄電池の容量を拡大。FCパワーパックで発電したエネルギーはすべて蓄電池に蓄積され、そこから供給される電力を荷役に充てる仕組みとなっている。

今回の開発・実証は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のFC利用の拡大に向けた産学官研究開発事業の一環。実証では、コンテナターミナルでの荷役を試験し、クレーンの動作やFCパワーパックの熱管理などの検証を行い、実作業に適用可能なことを確認した。

港湾で脱炭素化に向けた動きが進むなか、RTGCはディーゼル発電機を動力源としていることで特に脱炭素化が求められていた。ハイブリッド型ではゼロエミッション化に至らないことや、2次電池搭載では稼働時間が短く充電時間が長いことが課題だったが、三井E&SがNEDOと協働し、グループ会社の三井E&Sパワーシステムズ(東京都千代田区)で製作したFCパワーパックを搭載したRTGCの開発、実証を成功させた。

▲FC パワーパックの外観と機器構成

今後は開発したRTGCを米ロサンゼルス港で稼働させ、実際の荷役環境下での安定性などを検証する。この実証は、RTGCを含めた港湾荷役機械と、海上輸送されたコンテナを陸上輸送するドレージトラックの動力源をFC化し、港湾における地産地消型クリーン水素サプライチェーンの社会実装、実証を行う計画だ。

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LOGISTICS TODAY編集部
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