ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

缶飲料ケースを安全に荷台へ積むには/ドライバー日誌第35回

2023年10月4日 (水)

話題法人の輸送案件は、実にさまざまな商材を取り扱う。同じ企業の発注であっても、扱う荷物の種類や搬送先が異なることは決して珍しくない。店頭や宅配の商品は、こうして多様な輸送ルートを経て届けられているのだと実感する。長い旅だ。

(イメージ)

今回は、缶の飲料商品を取り扱う案件だ。早朝に大阪府茨木市の物流倉庫を出発し、大阪市のベイエリアにある拠点に運ぶ仕事だ。こうした拠点間輸送で、軽貨物が活用される場面は意外に多い。小回りが利く機動力の高さは、こうした小口の近距離輸送に適しているからだ。

この日はあいにくの雨。倉庫に近い道路の脇に、3台の軽バンが集結した。隊列を組むように倉庫のランプウェイを進む。荷積みエリアに着くと、そこには山積みにされた酒類や炭酸飲料のケース箱があった。これらの箱を軽バンで運ぶのが、今日の任務だ。

ケースの山をチェックする。3種類の商品が合わせて200ケース以上はあるだろうか。種類ごとに、3台に分けて運ぶ。もちろん、近く店頭に並ぶかあるいは宅配される商品であろう。丁寧に荷台へ積み込んでいく。落下させるなどもってのほかだ。

(イメージ)

心配なのが荷崩れによる損傷だ。こうした商品の輸送時における商品の破損は、意外にも作業員が手で運んでいる時よりも車でも輸送中に起きることの方が多いという話を、物流ドライバーから聞いたことがある。急ブレーキやカーブの走行時に荷崩れを起こすことで、箱に傷やへこみを生じさせてしまうというのだ。

それを避けるにはどうすればよいか。運転時の急ハンドルや急ブレーキ、急発進を防ぐのは言うまでもないが、荷台への商品の積み方におけるちょっとした工夫が、こうしたトラブルの軽減につながる。商品を積み重ねる際に、同じ方向でそろえ過ぎないこと。角をそろえてきれいに積むこと。あまり隙間を作りすぎないようにすること。それがコツなのだと、先輩ドライバーに教わった。(つづく)

プロローグに戻る