サービス・商品東日本旅客鉄道(JR東日本)は4日、新幹線や特急列車を使った荷物輸送サービス「はこビュン」を拡大し、大口荷物の定期輸送サービスを開始するなど、本格的に事業化すると発表した。在来線を含めたネットワークの強化や受付・予約のシステム化なども進め、JR東日本グループ全体で年間100億円規模の収益を目指す。
「はこビュン」は、JR東日本が運行する新幹線や在来線特急などを使った輸送サービスで、小口から大口までのさまざまな荷物に対応している。事前予約不要で、荷物1個から列車出発の30分前まで申し込みが可能な「はこビュンQuick」サービスもある。これまでは、主に始発駅と終着駅間の輸送に限られ、列車も限定されていたが、今後は途中駅でも取り扱い、新幹線全列車に対象を拡大。大口荷物は東北エリアから首都圏へ定期便を運行する。
輸送サービスを展開するのは、北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線と在来線特急が中心で、在来線も活用する。東北新幹線では100箱単位や車両貸しといった大口輸送にも対応する。
「はこビュン」の申込みは、これまで事前の商談や電話・メールなどの予約が必要だったが、4月からはJRE MALLのオンライン予約システムで受け付ける。法人と個人に対応する「はこビュンQuick」は、事前予約不要で直接駅カウンターへ持ち込むが、個人も2025年度内にはネット予約ができるようになる。
また、東北新幹線では、東北から首都圏向けの定期運行を開始する。4月18日から毎週金曜、午前8時29分新青森駅発の臨時列車「はやぶさ50号」を運行し、東京駅には午前11時44分に到着する。
同列車は1、2号車が荷物輸送専用となり、最大200箱程度の荷物を載せられる。今後、他の曜日にも柔軟に対応し、将来的には上越新幹線など他の新幹線にも拡大していく。
さらに、貨物輸送の定期運行化に向けた車両の改造も進めており、E3系新幹線1編成の全号車を荷物輸送専用車両として床面フラット化する。今年秋に東北新幹線盛岡-東京間で上り列車での平日定期運行をスタートする予定で、100箱単位、最大で1000箱程度の大口輸送を定期化する。
輸送専用車両はE5系「やまびこ」と連結する予定で、正午前に盛岡を発車し、午後に東京に到着するダイヤを検討している。
同社では、新青森-東京間で新幹線車両2両分となる4トンの荷物をトラック輸送から振り替えた場合、1年間でトラックドライバーの拘束時間が1万2928時間から2190時間に削減され、CO2排出量も212トンから20トンまで減らせるとしている。
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