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三菱重工、米国にガスタービン組立工場、物流センター併設

2010年12月6日 (月)

拠点・施設三菱重工業は6日、米国ジョージア州にガスタービンの組立工場を建設すると発表した。年内に着工し、2012年上旬に竣工する。ガスタービン組立ステーションのほか、車室置き場、部品受入れ場、物流センターなどを備える。

 

同じ敷地内で先行した燃焼器工場、ローター・サービス工場の建設に続くもので、今後、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の大幅な需要増が見込める北米で「為替に左右されない生産・サービス拠点」を構築し、事業拡大を図る。

 

組立工場は、同社原動機事業の米国拠点「三菱パワーシステム・アメリカ」が建設・運営する。敷地は同州サバンナ(Savannah)近郊の約40万平方メートルで、組立工場の建屋面積は約6000平方メートル。

 

敷地内には、2009年末に着工した燃焼器工場の建屋がこのほど完成し、年初に着工したローター・サービス工場の建設が続いている。同社はこれら一連の投資によりガスタービンの米国生産拠点を確保して、拡大する北米市場でのプレゼンス向上に努める。

 

ガスタービンの中核部品であるローターの加工工場の建設も検討しており、このサバンナ工場で、ガスタービン、蒸気タービンの中核部品の製造、本体の組立から、ガスタービン、蒸気タービンのローターなど大物部品の補修・改良まで、幅広い生産・サービス体制を段階的に整備していく方針。

 

米国では、老朽化した石炭焚き火力発電所に代わる新たな電源の確保が広く必要となり、同国に大量に存在するオイルシェールから天然ガスを抽出する技術が開発されたことで天然ガス価格が低位に推移している事情も加わり、GTCCへの関心が急速に高まっている。サバンナ工場の建設・整備は、こうした米国の市場動向をにらんだもの。