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川崎汽船、五十嵐新社長が持続的成長へ決意表明

2025年4月1日 (火)

ロジスティクス川崎汽船は1日、東京都内本社にて新社長・五十嵐武宣氏による就任挨拶を行い、脱炭素化対応やデジタル変革、人材確保など中長期課題に取り組む姿勢を示した。同氏の挨拶内容は以下のとおり。

「中長期的に我々を取り巻く環境は、脱炭素化に向けた環境負荷低減技術の広がりと新エネルギー使用へのサプライチェーン構築、生成AI使用など含めたデジタルトランスフォーメーションの広範かつスピーディな進展、世界各所での人材不足対応のみならず、多様な人材リソース確保と業界を越えた連携への取組みなどの大きな変化が、嘗てないほどのスピードで進んできています。

一方、足元では、中東やウクライナでの地政学的リスクの先行きが不透明であることに加え、本年1月の米国新政権発足以降、世界的なエネルギー政策や通商政策の不確実性が高まっていると共に、特定の国や製品を対象とした関税の引き上げ、中国の海運会社の運航する船舶や中国で建造された船舶を対象とした米国港での入港手数料導入の動きなど、低炭素化・脱炭素化のスピードや、サプライチェーン・輸送需給自体に大きな影響を与えうる政策なども打ち出されており、足元での事業環境の見通しの不確実性は高まっています。

この様な環境下、当社グループは明珍前社長のリーダーシップの下、2022年5月に公表した5か年の中期経営計画を進め、脱炭素化などの変化を事業機会とし、『成長を牽引する役割を担う3事業』を中心とした自営事業の収益基盤強化を順調に進めています。

鉄鋼原料事業では、顧客密着と環境営業を梃子に日本や韓国、中国のお客様と培ってきた関係を一層強化すると共に、インド・中東マーケットや資源メジャーとの関係強化にも取り組んでいます。自動車船事業では、航路網の再編、低炭素を実現する環境対応船の投入、High & Heavy貨物の増量などを通じて、お客様のニーズに応える形で収益基盤の強化を進めています。

LNG船事業では、従来からの日本、韓国、中国、欧州などに加え、東南アジアやインドなどの新たなマーケットでの取組みを強化しており、2026年度には足元の46隻から65隻まで拡大する目途が立っています。また、新規事業についても順調に取組みは進んでおり、液化CO2輸送船ではノルウェーのノーザンライツ・プロジェクトが本年から本格稼働し、3隻の船舶管理がスタートします。洋上風力発電支援の領域では、日本籍の地質調査船が昨年9月に就航し事業展開を開始しました。

また、当社の強みの基盤となる『安全・船舶品質管理』、『環境・技術の高度化』、『デジタルトランスフォーメーション』の3機能と、それらを支える『人材・組織』の更なる強化に取り組んでおり、『安全・船舶品質管理』では、当社の最重要課題である船舶の安全運航を更に推し進めるために、安全運航管理体制の拡充、船舶管理体制の強化、さらには優秀な海事技術者の確保・育成を進めて行きます。『環境・技術の高度化』では、環境対応と技術進化の取組みをさらに統合戦略化し、自社と社会の低炭素化・脱炭素化による成長機会の拡充を図ります。

『デジタルトランスフォーメーション』では、当社のDX戦略で定める『データのDX』と『人のDX』を推し進める事で、当社デジタル基盤の拡充を図ると共に、自社業務の生産性向上、船舶のデジタライゼーションなどを一層進めて、自社競争力強化とお客様に対する付加価値の創出につなげていく計画です。これらの当社の強みを更に磨き上げることが、変化スピードの速い事業環境下での当社事業を支えてくれるものと考えています。

当社グループは、海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献する、と言う企業理念のもと、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとしてグローバル社会のインフラを支える事でお客様のニーズに寄り添い、徹底的に考え抜いた提案を行う事で、より高品質で安全かつ最適なサービスの提供を行っています。

事業環境が目まぐるしく変化する中、当社グループが持続的な成長を続けていく為には、それらの変化に機敏に対応することは当然として、変化を恐れず行動する勇気と情熱に加え、リスクと機会を冷静に見極めつつ果敢に挑戦していく、企業活動におけるアニマルスピリットが必要と思います。その姿勢を私自身持ち続けたいと思いますし、グループの皆様にも意識して取り組んで頂けますことを期待しております。そのうえで、全てのステークホルダーに対する価値を向上させ、さらに魅力ある企業となることを目指してまいりましょう」

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LOGISTICS TODAY編集部
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