行政・団体経済産業省は3日、アメリカが日本製自動車と同部品に対して追加関税措置を講じたことを受け、省内に「米国関税対策本部」を設置したと発表した。これにより、自動車産業を取り巻く国内企業への影響を最小限に抑えるため、短期的な支援策を含む複数の対策を講じる方針を示した。
自動車関連産業は国内製造業出荷額の2割を占めており、完成車メーカーから中小部品サプライヤーまで広範なサプライチェーンを有している。今回の関税措置により、輸出依存度の高い自動車業界への影響が避けられないことから、経済産業省は迅速な対応を迫られた形である。
具体的な対応策としては、全国に「米国自動車関税措置等に伴う特別相談窓口」を設け、事業者からの相談対応を行う体制を整える。さらに、日本政策金融公庫などが提供するセーフティネット貸付の要件緩和により、関税措置の影響を受ける企業への資金供給を容易にする。また、金融庁、財務省と連携し、官民金融機関に対しては、資金繰りに不安を抱える中小企業への配慮ある対応を要請している。
あわせて、日本貿易保険(NEXI)は、北米市場をはじめとする海外展開中の日系企業に対して運転資金の調達支援を行うほか、関税措置に起因した損失についても輸出保険でカバーする対応を行う方針を示している。
さらに、中堅・中小の自動車部品サプライヤーに対しては、地域に根差した伴走支援を行う「ミカタプロジェクト」を通じて、経営課題への助言や関連施策の紹介を実施する。このプロジェクトでは、「ものづくり補助金」や「新事業進出補助金」などの制度で優先採択を実施することにより、企業の設備投資や新規事業展開への後押しを図る。
経済産業省は今後も、米国による関税措置の動向を注視しつつ、必要に応じて支援策の拡充や見直しを行い、国内の自動車関連産業と雇用の維持に万全を期すとしている。
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