ロジスティクス全日本トラック協会は22日、2025年度の「トラック運送業界における不正改造車排除運動」の実施要領を発表した。同協会は年間を通じて不正改造車排除運動を実施し、各都道府県トラック協会が指定する1か月間を強化月間として集中的に取り組む。この運動は、交通事故防止と道路交通の秩序維持を目的としている。
不正改造車は、暴走行為や過積載などによる交通安全への脅威だけでなく、排出ガスによる大気汚染や騒音などの環境悪化の原因ともなっている。そのため、国土交通省が主導する「不正改造車を排除する運動」と連携し、トラック運送業界も独自の取り組みを展開する。
重点排除項目として、まずタイヤ、ホイールの車体外へのはみ出しを設定した。これは道路運送車両の保安基準に違反し、他の車両や歩行者への重大な危険要因となる。次に灯光の色や点灯状態が不適切な灯火器及び回転灯などの取り付けを挙げる。特に側面方向指示器など、保安基準上で装備が義務付けられている灯火器の取り外しも重要な排除項目とする。
さらに前面ガラスならびに運転者席及び助手席の窓ガラスへの着色フィルムなどの貼付も重点的に取り締まる。可視光線透過率が70%未満の場合は視認性が著しく低下し、夜間や悪天候時の安全運転に支障をきたす。マフラーの切断・取り外し及び騒音低減機構を容易に取り外せる基準不適合マフラーの装着も厳重に監視する。これらは騒音公害の原因となるだけでなく、排出ガス規制にも違反する。
特に注目すべき項目として、大型貨物自動車の速度抑制装置の取り外し、解除、不正な改造や変更などを挙げる。この装置は法定速度順守のための重要な安全装置であり、その機能を無効化することは重大事故につながる可能性が高い。
基本排除項目として、直前直左確認用ミラーなどの取り外し、ダンプ車荷台へのさし枠取り付け、不正な二次架装などを掲げる。
全ト協は機関紙「広報とらっく」やホームページを通じて運動内容を周知し、適正化事業巡回指導時に事業所への啓発・指導を実施する。また各都道府県トラック協会に対し、独自の取り組みを含めた実施計画の策定と積極的な運動展開を要請する。
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