ロジスティクス奥洲物産運輸(宮城県東松島市)は24日、トラック向け薄膜ソーラーパネル「GasHeru」(ガシェル)を自社車両22台に搭載するとともに、同製品の販売を開始すると発表した。
GasHeruは車両の屋根に設置する軽量薄膜ソーラーパネルで、従来のエンジン駆動式オルタネーターによる発電方式を刷新する。これまではエンジンの駆動力でオルタネーターを動かしてバッテリーを充電する仕組みだったため、エンジンへの負荷が増大し、燃料消費量とCO2排出量の増加につながっていた。

▲薄膜ソーラーパネルの「GasHeru」(出所:奥洲物産運輸)
このシステムは太陽光発電による電力を車両のバッテリーに直接供給し、オルタネーターへの負荷を軽減する。システムの総重量はわずか14キロで、ソーラーパネル1枚が4キロという軽量設計。車両への負担を最小限に抑えている。その結果、燃費が10%以上改善し、エンジンへの負荷軽減によってメンテナンスコストも削減できる。
導入効果は多岐にわたる。燃費10%以上の改善に加え、エンジン負荷の軽減でメンテナンス費用を抑制する。車両1台あたりの運行コストを年間で30万円削減できる見込みだ。さらに、デジタル技術との組み合わせにより、発電量や燃費改善効果をリアルタイムで可視化し、運行管理の効率化も実現する。環境面では、CO2排出量を年間で15トン削減できる試算だ。
設計と監修を新明工業(愛知県豊田市)が担当し、企画・開発をEキューブドゴールズ(東京都千代田区)が手がけた。導入スケジュールは5月から第1期として本社営業所の大型トラック10台への搭載を開始し、6月には第2期として仙台営業所の中型トラック12台へ展開する。施工は営業所ごとに専門チームを編成し、1台あたり4時間で完了する効率的な取り付け工程を確立した。7月からは全国の運送事業者向けにフランチャイズ展開を開始する予定だ。
同社はこの取り組みを通じて、CO2排出量の削減と燃費効率の向上を図る。また、災害時の事業継続計画(BCP)対策としても活用する方針だ。太陽光発電による電力供給は、非常時の電源確保としても期待される。停電時でも車両のバッテリーに蓄えた電力を活用でき、災害時の物資輸送における電源確保にも貢献する。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com