調査・データ調査会社のリサーチアンドマーケッツ(アイルランド)は4月29日、市場レポート「2029年までのコールドチェーン物流市場の展望」を発表した。
世界のコールドチェーン物流市場は、23年に2750億米ドルと評価され、市場規模は29年までに4900億米ドルに達すると見込まれている。成長をけん引しているのは生鮮食品、医薬品をはじめとした繊細な温度管理が必要な製品の需要増加であり、EC(電子商取引)の拡大と温度管理された配送に対する消費者の期待を背景に、持続可能なシステムと強化されたラストマイル配送ソリューションへの移行が見込まれている。
市場の競争環境としては、リネージュ・ロジスティクス・ホールディングス(米国)がニュージーランドのタウランガに次世代施設を建設するなどインフラを拡充。ユナイテッド・ステイツ・コールド・ストレージ(同)はテネシー州へ4800万ドルを投資し、ユニリーバ(英国)などの大手食品メーカーを支援している。ニチレイロジスティクス・グループ(東京都千代田区)は、欧州における合併により物流能力を強化した。
地域別では、アジア太平洋地域が経済成長、都市化、生鮮食品の需要に支えられ、コールドチェーン物流市場をリード。インフラ投資と急成長中のECセクターが市場拡大に貢献し、物流の近代化を目指す政府の支援政策も成長を後押ししている。北米は堅牢なインフラと先進技術に支えられ、繊細な温度管理が必要な商品への需要に対応し、重要な市場エリアとなっている。規制の改善、冷蔵倉庫、IoT(モノのインターネット)導入への多額の投資により地位を固めている。インドは膨大な人口と都市化を背景に、コールドチェーンソリューションの需要をけん引する重要な市場プレーヤーとなっている。
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