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ローランドDGがproject44採用、導入事例公開

2025年6月4日 (水)

調査・データ荷主や物流会社向けサプライチェーン(SC)可視化プラットフォームを運用しているproject44(プロジェクト44、米国)は3日、インクジェットプリンターや3Dプリンターの製造販売を出がけるローランドディー.ジー.(浜松市浜名区)が同社のプラットフォームを採用し、年間数千万円の航空輸送費を削減するなどの成果を上げたとして導入事例を公表した。

ローランドDGは2022年、TOC(制約理論)を導入し、全体最適のサプライチェーン・マネジメント(SCM)を目指す改革を本格的に開始した。SCM部門を生産本部に組み込み、組織体制を刷新したほか、生産計画の補充生産方式への移行も推進。「世界中のバイヤーからの販売予測に基づくプッシュ型の供給方式」から、「本社主導での消費実績に応じた補充型のプル方式」への転換を図った。

さらに、コロナ禍による世界的な混乱や地政学的リスクの影響などでビジネス環境の不確実性が増したことから、リードタイム管理の重要性を再認識し、サプライチェーンの可視化の必要性に注目した。

こうしたことから、サプライチェーンを可視化するシステムを導入することを決め、マルチモーダルへの対応、リアルタイム性、柔軟なデータ活用性、多拠点への展開のしやすさなどを重視して検討し、複数ベンダーの中からproject44のプラットフォームの採用を決めた。

プラットフォームの導入によって、これまで輸送状況を把握しているのは物流担当者だけだったのが、すべての関係者がリアルタイムに輸送状況を確認できるようになり、輸送の遅延やトラブルが発生した際に迅速な対応が可能になった。

また、輸送データは、物流部門とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進部門が共同開発したBIツールで分析。リードタイムの現状把握や、リードタイム短縮のための施策の立案などに役立てられている。データの活用が進むことで、全社的に「データに基づく判断と行動」の基盤が整い、改善のPDCAサイクルが回り始めるようになった。

これらの取り組みによって、適正在庫水準を見直した結果、安全在庫を数億円圧縮できたほか、現地着予定の明確化によって、現地の過剰な在庫を削減し、導入1年目で数千万円の航空輸送費を削減するなどの効果が得られた。また、輸送ルートの見直しで、最大26日間のリードタイムの短縮も実現できた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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