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スターシーズ、中国企業と提携し蓄電池事業参入

2025年6月4日 (水)

荷主衣料品や服飾雑貨の販売を手掛けるスターシーズ(東京都港区)は3日、国内向け系統用蓄電池事業に本格参入することを決め、中国・上海の世界的蓄電池メーカーShanghai Robestec Energy(ロベステック)と業務提携すると発表した。蓄電池関連事業に今後3年間で、総額75億円規模の投資を予定している。

(出所:スターシーズ)

同社はもともと、衣料品や服飾雑貨の製造、販売を主力とするSPA(製造小売業)企業だが、製品の製造過程で大量の電力を消費する工程が多く、企業活動が環境に与える影響を見直す中で、気候変動への対応や持続可能な経営への意識が高まり、再生可能エネルギーの普及とエネルギーの安定供給に貢献する系統用蓄電池事業に参入することを決めた。これによって、環境配慮型経営への転換と企業の社会的責任の両立を図る。

ロベステックは、2019年に設立され、大規模エネルギー貯蔵システム(ESS)の開発、製造、運用を手掛けている。昨年末時点で、同社は全世界で3ギガワット時を超えるエネルギー貯蔵資産の運用実績がある。

業務提携に基づき、同社は国内でのBESS(定置型蓄電システム)市場の開拓を目指し、開拓手順を策定する。その上で、両社が協力し、日本各地でのBESSプロジェクトの企画、開発を推進。経営や財務、技術の各側面でパートナーシップを構築し、事業基盤の強化を図る。また、OEMによるBESS製品と付随サービスの品質維持や向上にも取り組み、電力システム展示会などへの出展を通じて、ブランド認知と市場浸透を進める。

これによって、国内の50サイト向けに、計400メガワット時規模の蓄電システムを販売し、最終的には、日本国内での系統用蓄電池プラントの共同構築という形で、再生可能エネルギーの安定供給を目指す。

同社が予定している75億円規模の投資のうち、15億円は初期導入や製品在庫確保、開発体制の強化に充当される。また、次世代型電力取引市場への対応や、バーチャルパワープラント(VPP)構想との連携も視野に入れており、電力業界のデジタル化や分散化の流れに合わせて柔軟な事業展開を進める。さらにESG投資やグリーンファイナンスによる資金調達も検討し、環境配慮型事業としての透明性と説明責任を果たす体制を構築する。

同社は「単なる事業多角化ではなく、エネルギー問題の解決に貢献する責任ある企業市民としての成長と位置づけている。今後、自社工場や物流センターなどのインフラにも蓄電池を積極的に導入し、企業活動の最適化を図るとともに、ノウハウを他企業や自治体に対して提供していく」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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