話題海外のホテルや住宅ではシーリングファン(天井ファン)がよく見受けられるが、狭くて天井の低い日本の住宅事情ではあまり見ることがなかった。「この文化的な違いが、日本国内における大型シーリングファンの普及が遅い原因ではないか」とロジアスジャパンCEO(最高経営責任者)、ロジスティクス経営士の徳永一雄氏は話す。
同社が手がける「エミアスファン」は、大型シーリングファンの代表格であり、巨大物流施設などに最適な熱中症対策ソリューションである。巨大な物流倉庫や、製造工場などのように、その広大さゆえにエアコン使用が適さない現場での導入が広がりつつある。

▲エミアスファン(NEWモデル)
徳永氏は、「エミアスファンは現時点で、もっとも費用対効果の高い熱中症対策ソリューション」と太鼓判を押し、その普及こそが物流現場の安全、熱中症対策義務化の対応につながると訴える。
エミアスファンの実力証明する導入実績
エミアスファンの熱中症対策への有効性は、名だたる大企業や有名企業の物流拠点・製造拠点への導入実績からも明らかだ。作業者の労働環境の見直しに率先して取り組むたくさんの大企業が、エミアスファンの導入と運用によって、熱中症の事故なく安全な作業環境を構築しているという実績こそが、エミアスファンの実力を証明している。
エミアスファンは、最大直径7.3メートルの巨大な羽を、ゆっくりと回転させることで大容量の空気循環を生み出し、建屋内の空気を均一に保つ。扇風機のように高速回転で強制的に空気を送り出すのではなく、上部空間を利用して風を起こして空気循環させるため、従来型ファン50台分の風量をエミアスファン1台でカバーできる。
「エミアスファンは、体感温度で5度から8度、優しく体感温度を下げられるのが特徴。クーラーなどと比較して消費電力もはるかに小さく、夏場にフル稼働させても家庭用ドライヤーと同程度の電気代に抑えることができる」(徳永氏)という。大企業だけではなく、中小企業やアミューズメント施設などへ導入も拡大しており、多様な規模感に対応するサイズバリエーションも用意している。駆動方式に高効率のIE4モーターを採用したニューモデルは、メンテナンスフリーとランニングコストも低減できる。オプションのセントラルコントロールシステムを導入すれば、最大20台のファンを同時にコントロールできるなど、操作効率も高まる。
その効果を体感したいというなら、「スタジオツアー東京-メイキング・オブ・ハリーポッター-」(東京都練馬区)の導入現場で確認することも可能だ。人気娯楽施設で、作品の世界観を邪魔することのない高い静音性能で、来場者を熱中症リスクから守っていることがわかるだろう。
警戒レベル上がる熱中症対策、求められる万全の備え
毎年のように、“例年にない暑さ”が話題となる近年では、異常高温が常態化してしまったといえるだろう。
熱中症による死亡事故事例が毎年のように報告される事態に、国もさまざまな対策を講じている。これまでの熱中症警戒アラートに加えて、2024年からは熱中症特別警戒アラートを創設して、警戒レベルを格上げした。今年度は、すでに4月末から運用が開始されており、早いタイミングから注意を呼びかけている。
6月には職場における熱中症予防対策が義務化された。これまでの努力義務ではなく、労働者を熱中症から守るための具体的な対策を提示。多くの倉庫作業現場では、熱中症リスクの高い環境にあたることが予想され、必要な対策を講じない場合は、6か月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金が科されるとともに、安全配慮に欠けた事業者として社会的評価を損ねることにもなる。
物流現場の暑さ対策もまた、作業者の命にかかわる最重要の取り組み事項として、今まで以上に警戒レベルを上げての取り組みが必要だ。
持続可能な物流現場構築へ、標準装備となりつつあるエミアスファン

▲ロジアスジャパンCEO 徳永一雄氏
「いまや人手の確保は、物流現場にとっての死活問題。庫内の労働環境改善は、事業継続に直結する重要戦略となっている。熱中症予防対策義務化を契機に、作業者に選ばれる環境が整えられているか、安全配慮への社会的要請に応えられている作業環境か、見直す事業者も増えるはず」と徳永氏はいう。
「相談から1か月程度で設置可能なこともあり、今ならば夏の最盛期に向けた運用も実現できる」と徳永氏は語る。無人化・省人化ソリューションで物流の革新を後押しする同社ならではのノウハウは、熱中症対策の取り組みにおいても、物流業界を知り尽くした上での最適解でサポートができる。
「これまで暑さ対策ツールといえば、入居者が後付けするのが常識だったが、最近では物流デベロッパーが、自社施設の付加価値アップとして予めエミアスファンを設置するケースも急増している。作業者の環境改善、暑さ対策ツールは、もはや物流施設になくてはならない標準設備になりつつあるのではないか」と徳永氏は指摘する。暑さ対策の成否が、事業の今後を左右する今こそ、危機感を持って対策を考え、現実的な選択肢としてのエミアスファンを検証すべきときなのである。
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