調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は14日、ことし1-9月で早期・希望退職募集を行ったことが判明した上場企業は34社で、対象人数は1万488人になったとするレポートを公表した。前年同期の46社に比べ、企業数は減少したものの、大手メーカーの募集があったことから対象人数は昨年同期の8534人から1.2倍の規模となった。
レポートによると、製造業を中心に競争力強化や業績改善に向けた構造改革の動きが本格化している。経営再建中の日産自動車は7月15日、追浜工場の車両生産を2027年度末までに終了し、日産自動車九州への統合を発表。詳細は明らかでないが、国内で数千人規模退職募集が見込まれている。また、三菱電機や三菱ケミカルグループも9月に募集実施を公表した。両社の募集人数も明らかになっていない。年間募集が1万人を超えた昨年の1万9人を8月で上回り、19年の1万1351人を超える可能性も出てきた。
業種別では、国内5000人規模の募集を発表したパナソニックホールディングス、満53歳以上で勤続年数3年以上の従業員を対象に募集を発表した三菱電機など、電気機器が15社と全体の44.1%を占めた。次いで金属製品、機械が各3社で続いた。
市場区分でみると、東証プライムが27社で79.4%を占め、東証スタンダードは6社だった。市場区分別の募集人数は、東証プライムが1万98人で96.2%を占め、東証スタンダードは390人だった。
直近決算期の最終損益で見ると、黒字22社で64.7%を占め、赤字は12社だった。黒字企業の募集人数は8018人で全体の76.4%。黒字の22社のうち、19社が東証プライム上場だった。赤字12社の募集人数は2470人で、ジャパンディスプレイや太陽誘電、サンデンなどが含まれる。
TSRは「今後も構造改革を進める企業が増えることが予想され、事業部門の閉鎖・売却や工場再編など事業再構築に向けた早期・希望退職の募集が加速する可能性が高い。大手メーカーも中長期的な競争力強化に向け本格的に動き出し、ことし以降、早期・希望退職の募集人数は大幅に増えそうだ」としている。
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