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梅の花グループ、製造・物流一体改革の実像

2026年3月3日 (火)

行政・団体経済産業省は、ことし4月に全面施行される物流効率化法で義務化される物流統括管理者(CLO)の選任を見据え、先行企業の取り組みをまとめた事例集を公表した。CLOの役割や求められる権限、組織体制の在り方を具体化するのが狙いで、特定荷主などが人選や体制整備を進めるうえでの参考事例を提示している。

外食・中食事業を展開する梅の花グループは、湯葉・豆腐料理「梅の花」など18ブランド272店舗を展開。九州・関西・関東にセントラルキッチンと物流拠点を配置する分散型の供給体制を敷く。売上高は294億4000万円(2025年4月期連結)。19年に物流部を新設し、現場主導で改革に着手したことが出発点だ。

特徴的なのは、物流単独の効率化にとどまらず、製造・購買を含めた一体管理へと踏み込んだ点である。24年11月には製造・物流・購買を管掌する取締役ポストを設置し、サプライチェーン全体を統括する体制へ移行した。CLOに相当する立場として、製造と物流の意思決定を同一ラインで管理することで、部門間調整の摩擦を低減し、迅速な判断を可能にしている。全体最適の視点を持つ経営層と、実務を統括する物流部長が明確に役割分担する構図が、改革の推進力となっている。

具体策も実務に根差す。店舗配送は週7回から週4回へと見直し、冷凍品中心の業態特性を踏まえた配送頻度の最適化を図った。さらに、米の使用量減少に伴い積載効率が低下していた幹線輸送を、チャーター便から混載の共同配送へ切り替えた。納品時間がタイトになる制約はあるものの、年間で数千万円規模のコスト改善を見込む。物流事業者側にとっても稼働率向上につながる施策であり、双方にメリットのある再設計といえる。

また、高度なシステム投資に依存せず、まずはExcel(エクセル)でイレギュラーを記録し可視化するところから始めた点も示唆的だ。出荷期限切れや破損発生件数などをKPIとして管理し、製造部門や3PLと定例で共有。事実に基づく改善サイクルを回すことで、年間ロスの縮小につなげた。月次の改善報告会では、物流部門の直接的なコスト削減に限らず、グループ全体に資する改善も評価対象とし、全体最適の文化を根付かせている。

今後は調達物流の可視化や、物流事業者とのネットワーク拡大を重点テーマに掲げる。物流を単なるコストセンターとせず、事業価値創出の基盤へと位置付け直す姿勢が鮮明だ。CLO義務化を前に、同社の取り組みは、形式的な役職設置ではなく、経営レベルでの統括と現場実行を両輪とする実効的なモデルを示している。

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