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関東-関西幹線の日帰り化へ課題整理、batonが実証

2026年4月2日 (木)

ロジスティクス物流コンソーシアムbaton(バトン)は2日、西濃運輸、福山通運、名鉄NX運輸、トナミ運輸の4社とともに、関東-関西間の幹線特積み輸送でドライバー交替方式による企業横断型中継輸送の実証運行を実施した。1月30日-31日に西濃運輸と福山通運、2月6日-7日に名鉄NX運輸とトナミ運輸が参加し、いずれも浜松市の拠点を中継地点として使った。

(出所:baton)

今回の実証は、異なる会社に所属するドライバーが中継地点で相手企業の車両に乗り換え、そのまま出発地へ折り返す方式を採用。狙いは、関東-関西間500キロの長距離幹線輸送を宿泊前提の運行から日帰り勤務へ転換できるかを検証することにある。トラックそのものを中継するため、荷物の積み替えが不要で、リードタイムを変えずに運行を完結できる可能性がある。

▲実証実験の様子(出所:baton)

実証では、出発前点呼、アルコールチェック、積み込みを終えた車両が夜間に出発し、深夜に浜松で合流した後、車両点検や健康状態確認、デジタコ設定や車両特有の操作方法の引き継ぎを行い、相手企業の車両で復路を走行した。共通の動態管理基盤として「Traevo」(トラエボ)を導入し、双方の運行管理者が車両位置や運行状況をリアルタイムで把握できるようにした。事故や故障に備えた連絡系統も「想定事象シート」として統一し、点検項目についても各社の手順を擦り合わせた。

▲車両点検(出所:baton)

検証の結果、長距離ドライバーの拘束時間サイクルを短縮し、日帰り勤務が可能であることを確認。また、企業の異なる車両とドライバーでも、事前のルール整備とシステム活用により、安全な交替運行が実施可能であることも示した。

一方で、社会実装に向けた課題も具体化した。大きな論点は5つ。第1に荷役と配送の役割分担だ。パレット中心かバラ中心か、フォークリフト前提か否かなど、各社で荷役の前提が異なるため、ドライバー交替後に他社の荷役まで担う運用は難しい。第2に車両仕様の差で、床面高さや軸配置の違いが運転感覚や構内操作に影響する。第3に拠点条件で、バース高さや接車条件、夜間運用のしやすさなどが中継成立性を左右する。第4に貨物情報や点呼・勤怠を含む運行情報の企業間連携で、現状は属人的な伝達に依存している。第5に責任分界とリスク管理で、ドライバーや車両の能力情報が各社内に閉じているため、適切な組み合わせ設計が難しい。

(出所:baton)

企業横断の中継輸送が技術的に不可能ではないことを示した一方、制度、運用、設備、情報連携をそろえなければ定着しないことも浮き彫りにした。batonは今後、得られたデータや現場のフィードバックをもとに、社会実装に向けたガイドライン策定を進める。

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