行政・団体経済産業省は15日、地政学リスクを踏まえた製造基盤強化に関する中間取りまとめ「製造基盤強化レポート」を公表した。重要鉱物をはじめとする供給網の脆弱性が顕在化するなか、「自律性確保」を軸に製造能力の再強化を図る方針を示した。
特定国への生産集中や輸出規制の強化など「経済の武器化」が進展している。化学品やレガシー半導体など幅広い分野で供給リスクが拡大する一方、日本は製造基盤への投資規模や更新の遅れが指摘されている。製造能力は一度失えば回復が困難とされ、経済安全保障の観点からも対応は急務と位置付ける。
レポートは、従来の個別物資中心の支援から、サプライチェーン全体を視野に入れた「点から面」への転換を提唱。具体的には、化学品など基盤的物資や鋳造・鍛造といった基幹技術への支援拡大▽上流から下流、循環資源までを含む一貫支援▽人材・データ・技術を含む製造エコシステムの強化▽官民の役割分担の再設計──の4視点を柱とする。
物流分野では、海上輸送への依存度が高い日本の構造を踏まえ、輸送インフラや船舶関連産業を含めた「物流の強靱化」を明記した。サプライチェーンの物理的な流れを支える機能として、製造基盤と一体での強化が必要と指摘する。
また、次世代製造への対応としてAI(人工知能)活用を軸とした「製造AX(AIトランスフォーメーション)」の推進も打ち出した。現場データの活用やロボット導入を通じた生産性向上を図るとともに、人材不足への対応も急ぐ。さらに、技術流出対策や中堅・中小企業を含むサプライチェーンの底上げも課題として挙げた。
国際面では、すべての製造能力を国内で賄うことは非現実的とし、地政学リスクに耐える新たな戦略的国際分業の構築を提起。同志国との連携や海外展開支援を通じ、供給網の分散と安定化を図る。
製造と物流を含むサプライチェーン全体を再設計する方向性が示された形だが、具体的な制度設計や投資規模は今後の政策具体化に委ねられる。
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