ロジスティクスLOGISTICS TODAYは21日、東京都トラック協会で「運びと地位向上全国キャラバン2026 in 東京」を開催した。
本イベントは第8回を迎え、「働き方改革×新幹線×自動運転──3つの答えが交わる日」をテーマに掲げた。2024年問題に端を発した規制変更や地政学リスクにより事業環境が激変し、深刻なドライバー不足が進行する中、次世代の物流インフラと中小運送事業者の生き残り戦略について、第一線で変革を主導するキーパーソンらが熱い議論を交わした。

▲(左から)モデレーターを務めたLOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長、ワンロジの吉岡泰一郎社長
組織改革と「選ばれる会社」への挑戦(SSX)
最初のセッションでは、セイノースーパーエクスプレス(SSX)の平井克昌社長が登壇した。2030年に売上1000億円を目指す同社は、航空便とトラック便を組み合わせた全国翌日配達ネットワークと、半導体関連など高付加価値商材の高品質輸送を強みとしている。

▲セイノースーパーエクスプレスの平井克昌社長
平井社長は就任以来、現場の声を吸い上げつつ「全員参加とスピード」を掲げ、顧客価値を最優先とした組織改革を断行した。特に人材採用においては、応募から原則24時間以内に連絡を取り支店も対応可能にすることでスピードを担保して辞退を防止する「スピード選考」をはじめ、新たに10万円のインセンティブを設けて定着率の向上につなげた「リファラル採用の制度化」、首都圏での苦戦に対しクロスマイルなどの外部紹介やタイミーを活用した「横乗り体験」からの採用導線を構築する「外部人材の活用」、そして協力会社やコンサルタントの助言を得て現場の魅力を可視化し発信する「攻めのSNS発信」といった施策で大きな成果を上げている。また、渋谷区での共同配送(同一エリアの配送重複統合)など、他社との協業や業務の切り出しによる生産性向上の事例も共有された。
第三の輸送モード「新幹線物流」の現在地(JR東日本物流)
続いて、ジェイアール東日本物流企画本部品質サービス改革部次長グループリーダーの山崎俊佑氏と営業本部列車荷物輸送ユニットの安助里栄マネージャーが登壇し、「はこビュン」をはじめとする新幹線物流の最前線を語った。

▲(左から)ジェイアール東日本物流企画本部品質サービス改革部次長グループリーダーの山崎俊佑氏、同営業本部列車荷物輸送ユニットマネージャーの安助里栄氏
最大のトピックは、2026年3月23日にデビューした日本初の「荷物専用新幹線」である。盛岡-東京間を結ぶこの新幹線は、1車両あたり4トントラック相当(重量2-2.5トン、800-1000箱)の積載能力を持ち、号車単位の貸切や小ロット混載にも対応する。SSXとの協業事例として、検体輸送のテスト運用が紹介された。従来は軽チャーター便で16時に集荷し22時30分に着いていたものが、新幹線を活用することで17時40分受付、20時44分東京駅着、21時40分配達完了となり、1時間50分の短縮と大幅なコスト削減を実現した。新幹線輸送は、航空便が対応していない中距離の緊急輸送に強く、天候リスクへの強さ(安定性)や、CO2排出量がトラックの10分の1という環境優位性を持つ。都市の中心にある駅を発着点とするため、引き渡しが短時間で行える点も強力なメリットである。
物流課題を解決するソリューション・ピッチ
中盤の協賛社セッションでは、運送会社を支援する4社のサービスが紹介された。X Mile(クロスマイル、東京都新宿区)の物流DX事業部 ゼネラルマネージャー 細野桂佑氏は、スマホなどで受講可能な安全教育DX「ロジポケ」を紹介し、200本超の動画教材を提供して監査対応資料もワンクリックで作成可能であり、最短3日で導入できるとした。

▲(左から)X Mile DXソリューション事業本部物流DX事業部部長の細野桂佑氏 、シグマインターナショナルの春井勝匡社長 、タイミー地方創生グループチームリーダーの川原僚氏 、TDGホールディングス専務取締役の吉川貴教氏
シグマインターナショル(横浜市中区)の春井勝匡社長は、トラック売買、中古部品販売、レッカー手配を展開し、新たにファンドが価格設定を行う残価設定・買取権付きの「リースバック」も試験運用中であると語った。タイミー地方創生グループチームリーダーの川原僚氏は、スキマバイトマッチングサービスについて、運送業界でも「お試し就業」からミスマッチの少ない中長期採用への移行が本格化しており、働き手の70%が長期就労を志向しているとアピールした。そしてTDGホールディングス(名古屋市中区)専務取締役の吉川貴教氏は、海外教習(ベトナム・インドネシア等)からビザ取得、日本の免許切替、入社後の定着支援までをグループ内で完結させる外国人ドライバーの一気通貫支援を提供していると述べた。
後半ではさらに、自動運転トラックについて議論が深められた。
【運びとキャラバン後編】後付け無人運転は中小運送向け次世代インフラへ
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。


























