調査・データファブリカホールディングス傘下のファブリカコミュニケーションズ(名古屋市中区)が1日にまとめた3月の中古車市場統計によると、市場は車両不足と海外需要で高値圏を維持する一方、物流コスト上昇や地政学リスクの影響が収益を圧迫し、販売店の二極化が進んでいる。
3月の登録動向は、年度末需要を受けて前月比で新車24.1%増、中古車52.3%増と大きく増加したが、前年比では新車9.9%減、中古車4.2%減とともに減少した。新車販売の低迷により下取り車両の流入が滞り、中古車市場の慢性的な「タマ不足」が長期化している。
こうした供給制約のもと、中古車価格は高止まりしている。オートオークションの平均成約単価は前年同月比で9.5%上昇し、過去最高水準を更新するなど、相場は強含みで推移している。一方で、仕入れ競争の激化により販売店の在庫コストは上昇しており、収益構造は厳しさを増している。
さらに、3月以降は中東情勢の急変が市場に影響を及ぼしている。主要輸出先であるUAE向けの物流の停滞により、これまで輸出に回っていた車両が国内市場へ滞留する可能性が浮上。需給バランスの変化による価格下押し圧力も指摘されている。加えて、海上運賃や陸送費の上昇、原油高に伴う塗装資材の値上げが重なり、物流コストが販売店の利益を圧迫している。
実際、倒産件数は4か月連続で前年を上回り、高値在庫を抱える中小店舗では資金繰り悪化が顕在化する一方、大手との格差が拡大している。市場は高値維持と収益悪化が同時に進む構図となり、経営体力による選別が進んでいる。
対応策としては、オークション依存の仕入れ構造の見直しが挙げられる。ユーザーからの直接買い取りを強化し、中間コストを抑えた在庫確保にシフトする動きや、輸出影響を受けにくい軽自動車など国内需要型車種への転換が有効とされる。また、在庫回転を重視した価格見直しや損切り判断の迅速化など、リスク管理の徹底も不可欠となる。
物流コストと地政学リスクが同時に作用する現在の市場は、単なる需給変動ではなく、サプライチェーン全体の不確実性を映し出している。中古車流通においても、調達・輸送・販売を一体で捉えた戦略の再構築が求められる局面に入っている。
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