調査・データ内閣府は26日、2026年5月の月例経済報告を公表し、国内景気について「緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」との基調判断を据え置いた。先行きは、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が回復を支えると見込む一方、中東情勢や金融資本市場の変動が下押し要因になり得るとした。物流分野では、原油価格や輸入物価、重要物資の供給、国際輸送への影響が引き続き焦点となる。
需要項目では、個人消費に持ち直しの動きがみられる一方、消費者マインドは弱い動きが続いている。設備投資は持ち直しており、公共投資も堅調に推移している。輸出と輸入はいずれもおおむね横ばいで、貿易・サービス収支もおおむね均衡している。輸出では、アジア向けが横ばい、米国向けとEU向けは持ち直しの動きがみられる一方、中東向けは減少。輸出入の先行きについては、中東情勢による下押しリスクに留意が必要だとした。
企業活動では、生産が横ばいとなった。鉱工業生産指数は3月に前月比0.4%減となったが、製造工業生産予測調査では4月が同2.1%増、5月が2.2%増と見込まれている。業種別では、輸送機械に持ち直しの動きがみられ、電子部品・デバイスは持ち直している。企業収益は改善の動きがみられるものの、5月判断では中東情勢の影響を注視する必要があるとの表現に改められた。業況判断はおおむね横ばいだが、先行きはやや慎重な見方となっている。
物価面では、国内企業物価の判断を「緩やかに上昇している」から「このところ上昇している」に変更。4月の国内企業物価は2.3%上昇し、輸入物価も上昇している。消費者物価は緩やかに上昇している。物流事業者にとっては、燃料費、資材費、車両・設備費、外注費などのコスト上昇が運賃転嫁や契約条件の見直しに直結する局面が続く。
政府の政策対応では、中東情勢を受け、燃料油に対する緊急的な激変緩和措置を実施していると明記。代替調達や備蓄放出により原油の安定供給を図るとともに、重要物資の安定供給と流通の円滑化に努める方針も示した。5月報告ではさらに、「リスクの最小化」の観点から資金面で備えるため、26年度補正予算を編成するとした。
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