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世界物流不動産市場、29年に貸主優位に転換

2026年5月29日 (金)

調査・データ米不動産サービス大手のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは28日、世界135の物流不動産市場を分析した「Waypoint 2026」を発表した。26年時点でテナント優位の市場は全体の52%を占めるが、29年には33%まで低下する見通しだ。空室率の低下や供給制約を背景に、物流施設市場の主導権が再び貸主側へ移るとみている。

同社によると、世界の物流施設賃料は20年比で36%高い水準にある。25年は上昇ペースが鈍化したものの、今後3年間で54%の市場が賃料上昇を見込む。地政学リスク、貿易摩擦、気候変動リスクが一過性ではなく構造的な要因となるなか、企業は物流網の見直しを進めており、立地や品質に優れた施設への需要が強まっている。

地域別では、米州の変化が最も大きい。現在は53%の市場がテナント優位だが、29年には貸主優位の市場が46%まで上昇する見通し。米国ではインランド・エンパイア、アトランタ、インディアナポリスなど主要物流拠点で需給が均衡に近づく。メキシコではニアショアリングや製造業投資が需要を支え、モンテレイやティフアナなどで長期的な立地戦略が進む。

アジア太平洋地域は、なおテナント優位の市場が47%と世界で最も高い。ただし、日本、豪州、シンガポールのように供給制約が強い市場では空室率低下が見込まれ、物流施設の確保競争が強まる。一方、中国本土やインドの一部では新規供給が多く、テナント側に選択余地が残る。

欧州・中東・アフリカでは、現在54%の市場がテナント優位だが、29年には39%に低下する見通し。英国、ドイツ、オランダなど中核市場では高品質施設を確保できる期間が狭まりつつある。電力価格の上昇も施設選定を左右しており、再生可能エネルギーへのアクセスや電力インフラを備えた物流施設の重要性が高まっている。

同社は、今後の物流不動産市場では賃料だけでなく、自動化対応、電力確保、省エネ性能、立地の強靱性が競争力を左右するとみる。荷主や物流事業者にとっては、空室や賃料の条件だけでなく、電力や自動化への対応力を含めて拠点戦略を見直す必要が高まりそうだ。

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