環境・CSR日本郵船は4日、米国の炭素除去スタートアップであるグラファイトと、同社が米アーカンソー州で展開する大規模炭素除去プロジェクト「Loblolly」で創出されるCO2除去クレジット(CDRクレジット)の購入契約を締結したと発表した。
海運業界では燃料転換や省エネルギー化による温室効果ガス削減が進む一方、技術的・経済的な制約から完全な排出削減が難しい「残余排出」への対応が課題となっている。日本郵船グループは2050年の温室効果ガス排出量ネット・ゼロ実現に向け、排出削減に加え、炭素除去技術の活用を進める。
今回の対象となるLoblollyプロジェクトでは、農林業や木材加工工程で発生する未利用のバイオマス残渣を活用する。グラファイト独自の「Carbon Casting」技術により、バイオマス残渣を乾燥・圧縮して炭素を固形物として封じ込め、環境的に安全な形で地下に長期貯留する。これにより、大気中から吸収された炭素を高い耐久性で隔離することが可能になる。
また、同プロジェクトで創出されるCDRクレジットは、第三者機関による測定、報告、検証を経て認証される仕組みを採用しており、透明性と信頼性の確保を図っている。
国際海運では、国際海事機関(IMO)が脱炭素化を推進するなか、船舶の燃料転換や運航効率化に加え、炭素除去クレジットの活用にも関心が高まっている。日本郵船はエネルギー効率向上や次世代燃料への転換を最優先としながら、削減が困難な排出分についてはCDRを活用することで脱炭素化を進める。
同社は2025年に公表した「NYK Position Paper-CDR」で、炭素除去をスコープ1排出削減と同等の脱炭素手段として位置づけている。今回の契約はその方針に基づく取り組みの一環であり、今後もさまざまな炭素除去技術を活用しながら、顧客とともに脱炭素社会の実現を目指す。
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