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日本フィジカルインターネット学術組織が発足

2026年6月8日 (月)

ロジスティクス物流をインターネット通信のように標準化・共有化されたネットワークとして再構築する「フィジカルインターネット」の研究と社会実装を推進する学術組織「The Physical Internet Academy of Japan」(PIAJ、日本フィジカルインターネット・アカデミー)が1日、設立された。共同代表は早稲田大学の大森峻一教授と流通科学大学の森隆行名誉教授が務める。

PIAJは、物流、情報工学、経済学、経営学、都市計画などの研究者や実務家が連携し、日本型フィジカルインターネットの理論構築と社会実装を進める学術プラットフォームと位置付ける。フィジカルインターネットセンター(JPIC)が後援する。


▲(左から)早稲田大学の大森峻一教授と流通科学大学の森隆行名誉教授(出所:日本フィジカルインターネット・アカデミー)

フィジカルインターネットは、貨物を標準化された容器やネットワークで扱い、共同配送や拠点連携、輸送資源の共有を進める考え方。物流効率化に加え、環境負荷低減、人手不足対策、災害時の物流耐性向上などにつながる次世代物流インフラとして欧米を中心に研究や実証が進んでいる。

一方、日本では物流2024年問題への対応や政府によるフィジカルインターネット・ロードマップの策定を背景に実務面の関心は高まっているが、学術的な研究基盤や国際議論への参画は十分とはいえない。PIAJは、日本の商慣習、多頻度小口配送、災害リスク、自動化技術などを踏まえた日本型フィジカルインターネットの体系化を目指す。

主な活動として、定期研究報告会、分科会・ワーキンググループ、研究成果発表会、白書・政策提言の作成、国内外研究機関との連携、若手研究者や学生の育成を掲げる。必要に応じて「技術・標準化」「ビジネスモデル・制度」「環境・都市」などの分科会を設ける。

設立発起人は大森氏、田中康仁大阪商業大学教授、川崎智也東京大学准教授、森氏の4人。特別顧問には、フィジカルインターネット提唱者の一人とされるエリック・バロー・パリ国立高等鉱業学校教授を迎える。会員区分は学術会員、産業会員、学生の準会員、法人会員などで、年会費は個人1万円、学生3000円、法人10万円とする。

PIAJの発足は、個別企業の改善にとどまりがちな物流改革を、学術的な検証や標準化、制度設計の議論へ広げる動きとなる。社会実装につなげるには、研究成果を荷主、物流事業者、行政、システム事業者が共有し、実運用に落とし込めるかが問われる。

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