サービス・商品JR九州は10日、センシンロボティクス(東京都品川区)と共同で、鉄道施設の維持管理業務に活用する線路内環境対応の自律飛行ドローン技術を開発・検証したと発表した。線路内の多様な環境に対応し、1台のドローンが連続して自律飛行できる技術の実用化に向けた技術開発・運用検証を進める。
鉄道の線路内には、衛星測位システム(GNSS)が利用できる開放区間だけでなく、トンネルや植生が繁茂する区間、踏切など、飛行条件が大きく異なるエリアが連続して存在する。このため両社は、環境に応じて飛行方式を切り替える3種類の自律飛行モードを開発した。
GNSSモードは高度25メートル、時速換算で毎秒6メートルの速度で飛行し、広範囲の調査に対応する。レール追従モードは高度2メートル、毎秒2メートルで飛行し、レールを認識しながら低空で移動する。トンネルモードは高度2メートル、毎秒1メートルで飛行し、GNSSが利用できないトンネル内でも安定飛行を可能にする。
各モードでは、レーザーで周辺環境を三次元計測するLiDARやAI画像認識技術を活用。障害物を検知した際には自律的に回避や航行制御を行う安全機能も備える。検証では、飛行中に各モードを自動で切り替えながら、線路内を一気通貫で自律飛行できることを確認した。
今回の技術開発は、異常気象発生時の現地状況確認や鉄道構造物の遠隔点検への活用が期待され、鉄道事業者にとっては、線路巡回や設備点検に伴う作業負担の軽減や安全性向上につながる可能性がある。
現場検証は指宿枕崎線で実施した。両社は今後も技術開発と実証を継続し、安全性や制度面の課題を検証するとともに、鉄道インフラメンテナンスの省力化・高度化を推進する。将来的には他の鉄道事業者や関連企業との連携も視野に入れ、持続可能な運用体制の構築を目指す。

▲指宿枕崎線での現場検証(出所:JR九州)
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