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EU・韓国、供給網強化へ新枠組み

2026年6月11日 (木)

国際欧州連合(EU)と韓国は10日、ブリュッセルで第11回首脳会談を開き、経済安全保障、供給網、デジタル貿易、エネルギー、安全保障分野で協力を拡大することで合意した。欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長、韓国の李在明大統領が会談した。物流分野では、サプライチェーンの多元化や輸送網の安全確保、航空分野での接続性向上などが盛り込まれ、欧州とインド太平洋を結ぶ経済圏の安定化に向けた動きとなる。

両者は新たに「競争力パートナーシップ」を立ち上げることで一致した。対象は貿易、投資、供給網、デジタル、先端技術、エネルギー、イノベーションなどで、経済の強靱性を高める狙いがある。あわせて「ハイレベル経済対話」を設け、経済安全保障、貿易、産業政策を協議する。共同声明では、戦略的多元化を通じて多様で強靱な供給網を促進する方針を確認した。半導体や重要原材料、先端技術をめぐる国際競争が強まるなか、EUと韓国がサプライチェーンの脆弱性を補完し合う。

会談では、EU・韓国デジタル貿易協定にも署名した。同協定は2011年に発効したEU・韓国自由貿易協定を補完するもので、電子契約や電子署名の有効性、越境データ流通、オンライン消費者保護などを定める。ソースコードの強制移転を禁じる一方、個人データとプライバシー保護の水準は維持する。EUによると、23年のEU・韓国間サービス貿易の3分の1超、110億ユーロ相当がデジタルで提供された。越境EC(電子商取引)やデジタル取引の予見性が高まれば、物流、決済、通関関連サービスにも影響が及ぶ可能性がある。

貿易面では、適合性評価、証明書、表示に関する相互承認協定(MRA)の交渉開始に向けたEU側手続きの完了にも言及した。MRAが実現すれば、二重試験や二重認証の回避につながり、欧州・韓国企業の市場投入期間や事務負担の軽減が期待される。農産食品では、牛肉、鶏肉、豚肉、乳製品、卵、蜂蜜などの市場アクセス改善に向け、非関税障壁の是正に取り組む方針を示した。食品貿易の拡大は、コールドチェーンや検疫、認証対応を含む国際物流実務にも関わる。

安全保障分野では、欧州とインド太平洋の安全保障が相互に関係しているとの認識を共有した。海上安全保障では、航行と上空飛行の自由、重要海底インフラの保護、海上交通路の安全確保を重視する。共同声明では、海賊対策や「シャドーフリート」への対応、重要海事インフラの保全でも協力を深めるとした。中東情勢についても、ホルムズ海峡の航行の自由と安全な通航の確保を求めた。国際物流にとって、欧州・アジア間の海上輸送路の安定は引き続き大きな課題となる。

輸送分野では、定期的な「輸送対話」を通じ、安全で効率的、競争力のある輸送システムづくりで協力を続けるとした。民間航空では、EU・韓国航空パートナーシッププロジェクトを通じた協力深化や、双方の接続性を高める長期戦略の検討を進める。旅客名簿情報(PNR)に関する協定交渉の妥結も歓迎し、テロや重大犯罪対策とデータ保護の両立を図る。

エネルギー分野では、エネルギー安全保障、経済強靱性、クリーンエネルギー移行を協議するハイレベルエネルギー対話を始める。水素、洋上風力、小型モジュール炉を含む原子力分野での連携余地にも触れた。

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