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熊本地震、地元団体と独自の災害物流作る氷川町

2026年7月30日 (木)

国内最大震度7を観測した熊本地震で大きな被害を受けた熊本県氷川町が30日、役場に隣接する文化センターを支援物資の受け入れ拠点として使い始めた。町は物流事業者との災害協定を結んでおらず、発災後に保管場所や荷役人員を確保して対応した。

▲氷川町役場

取材班が氷川町に入ると、屋根や外壁が崩落した家屋や、ひび割れた道路が至る所に残されていた。

▲氷川町役場で配布されている物資

氷川町役場では、朝から自衛隊による給水が行われ、水を求める町民がひっきりなしに訪れていた。軒先にはミネラルウォーターやお茶の段ボール箱が積み上げられ、直接の配布も行われていた。

▲氷川町役場前に設置された給水所。家にトイレで使う水がない家庭も多いため、臨時トイレも設置されている

停電や断水により調理できない世帯が多く、簡易食品の需要も高まっている。しかし、役場担当者によると「現時点で国や県へ食品の要請はしておらず、送られてくる支援物資を待っている状態」だという。

▲氷川町文化センター

近年、災害時の物資管理や輸送を委託する災害協定を物流事業者と結ぶ自治体が増えている。一方、氷川町ではそうした協定を結んでいなかった。

町は全国から支援物資が届くことを見越し、役場に隣接する文化センターのホールを受け入れ施設として使用することを決めた。30日から物資の保管、管理を始め、到着した物資の荷下ろしや搬入には役場職員が当たった。

事前に定められた物流体制がないなかで、町が急きょ受け入れ場所と人員を確保した形だ。

▲滋賀県青年会議所のトラック

取材班が役場を出ると、滋賀ナンバーのトラックが門をくぐり、文化センターのエントランスに接車した。荷台に積まれていたのはすべて飲料水で、駆けつけた役場職員が次々とホール内へ運び込んだ。

ドライバーを務めていたのは、滋賀青年会議所(JC)のメンバーだった。青年会議所は災害時、全国のネットワークを活用して相互支援する仕組みを持つ。

近江八幡青年会議所の木村真平氏は「今回は町役場へ直接運んだが、すでに郊外に物流拠点を確保してある。今後はそこへ物資を集積し、町役場へピストン配送する体制を整えている」と説明した。

青年会議所の支援により、飲料水が町役場に届けられた。今後は郊外に確保した拠点へ支援物資を集め、町役場へ輸送する計画だという。

一方、氷川町は物流事業者との災害協定を結んでおらず、発災後に文化センターを物資の受け入れ場所として使用する体制を立ち上げた。町職員が飲料水の荷下ろしや館内への搬入に当たっていた。

災害物流では、届いた物資の保管や管理に加え、必要な品目と数量の把握、仕分け、配布先への輸送などが必要となる。氷川町で始まった対応が、今後どのような体制で運用されるかは明らかになっていない。

今回の対応は、事前協定がないなかで、町が外部団体の支援を受けながら物資の受け入れを始めた初動事例となった。同時に、災害時の物資管理や輸送を誰が担うのか、平時から役割分担を定めておくことの重要性を示している。

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