荷主ShipAll(シップオール、東京都渋谷区)は29日、7月15日に宮城県仙台市で開催された「仙台日本酒サミット」に代表取締役の梶原信次氏が登壇し、酒販店向け海外配送自動化システム「ShipAll」を活用したインバウンド販売支援の取り組みを紹介したと発表した。
同サミットは、全国の蔵元が出品した市販酒を参加者がブラインド形式で評価するイベントで、日本酒の魅力や今後の可能性について知見を共有する場として開催された。梶原氏は、訪日外国人観光客が日本酒を購入する際、重量や航空機への持ち込み制限、国・地域ごとに異なる輸入規制などが障壁となり、購入を断念するケースがあると説明した。
一方、酒販店側も海外配送に対応するには、配送可否の確認や送料・関税の計算、通関書類の作成などの業務が発生し、対応負担が大きいという課題がある。ShipAllは、店頭で購入した商品の海外配送における配送可否判定や関税計算、通関書類の作成を自動化し、店舗の負担軽減と販売機会の拡大を支援する。
同社によると、財務省貿易統計や経済産業省の調査を基にした独自推計では、2024年の日本の輸出総額に占める越境EC(電子商取引)による個人向け直販輸出の割合は約4%にとどまる。訪日客が日本国内で商品と出会い、その体験を帰国後の消費につなげる仕組みには大きな成長余地があるとしている。
物流面では、店舗側は通常の販売業務を維持したまま海外配送に対応できることが特徴で、配送先情報は利用者自身が入力し、提携物流事業者が店舗から直接集荷する仕組みを採用している。これにより、専門知識がなくても海外発送が可能となり、酒販店の業務効率化と物流手続きの簡素化につながる。
同社はことし2月、世界66カ国・地域へ日本酒を輸出する南部美人への導入実績も公表している。今後は酒販店や角打ちを併設する店舗などへの導入を拡大し、訪日客の購買体験を海外での消費へ結び付けることで、日本酒全体の需要拡大と酒蔵の販売機会の創出を目指す。
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