ロジスティクスNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は19日、宇宙環境利用・回収プラットフォーム事業を手がけるElevationSpace(エレベーションスペース、仙台市青葉区)に6月11日付で出資したと発表した。NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合を通じた案件で、宇宙から地球へ物資を戻す回収・輸送サービスを見据え、地上側の物流機能の構築を検討する。
ElevationSpaceは、宇宙空間で研究、実験、製造された物資を地球へ回収・輸送するサービスの開発に取り組むスタートアップ。微小重力環境での実験と地球への帰還・回収を一体で提供する小型カプセル「ELS-R」や、将来の民間宇宙ステーションなどから物資を高頻度で地球へ輸送する専用カプセル「ELS-RS」の開発を進めている。2026年後半以降には、日本初の民間主導による再突入衛星「あおば」の打ち上げを計画している。
宇宙産業では、人工衛星の活用に加え、宇宙空間での研究、実験、製造といった用途の拡大が見込まれる。一方、宇宙で得られた成果物や物資を地球へ戻す仕組みは限られている。国際宇宙ステーション(ISS)も2030年末に運用終了が予定されており、民間宇宙ステーションの活用を見据えた新たな輸送インフラの整備が課題になっている。
NXグループは今回の出資を通じ、打ち上げ前後の輸送、地球帰還後の回収物輸送、最終目的地への配送など、宇宙と地上をつなぐ物流のあり方をElevationSpaceと共同で検討する。国内外で培ってきた輸出入通関、温度・衝撃管理、輸配送、国際物流の知見を活用し、宇宙輸送物資に適した輸送スキームの構築を支援する。
宇宙物流は現時点では実証・開発段階の領域だが、研究成果物や高機能材料などを地球へ戻す需要が広がれば、帰還後の回収、保管、温度管理、通関、最終配送までを一体で設計する必要が出てくる。NXHDの出資は、打ち上げ側だけでなく、地球帰還後の「ラストワンマイル」を物流事業者が担う可能性を探る動きとなる。
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