ロジスティクス全日本トラック協会は、2027年度のトラック関係施策に関する要望書をまとめた。軽油や石油関連製品の供給不安、車両価格の上昇、運賃への価格転嫁の遅れが続くなか、走行距離課税など新たな税負担への反対、高速道路料金の引き下げ、休憩施設や中継物流拠点の整備、適正運賃の収受に向けた支援を政府・与党などに訴える。
税制関係では、自動車関係諸税の総合的な見直しに伴い、走行距離課税や電気自動車への自動車重量税の特例加算など、営業用トラックに新たな負担を課す制度に反対する姿勢を示した。車両取得、保有、走行の各段階で複数の税が課されているとして、自動車関係諸税の簡素化・軽減も掲げた。営業用と自家用の税負担格差の拡大も要望事項の1つとした。
27年3月末に期限を迎える中小企業投資促進税制については、車両総重量3.5トン以上のトラック取得時に適用される30%の特別償却または7%の税額控除の延長を盛り込んだ。中小企業経営強化税制、防災・減災投資促進税制、賃上げ促進税制などの延長に加え、自動車重量税の先進安全自動車特例の対象拡大も対象とした。
道路施策では、高速道路料金の引き下げを重点項目に位置付けた。NEXCO3社の大口・多頻度割引について、最大50%とする拡充措置の延長と、月間利用額全体に対する実質50%割引の実現を打ち出した。首都高速、阪神高速、名古屋高速、本州四国連絡高速道路についても、NEXCOと同水準の割引制度導入を求める内容とした。混雑時間帯の料金割増については、荷主への転嫁が難しいとして、トラックへの適用回避を主張している。
物流基盤では、重要物流道路への集中投資、暫定2車線区間の4車線化、ミッシングリンクの解消を列挙した。ダブル連結トラックや自動運転トラックの運行に対応する道路環境の整備、下関北九州道路の早期整備も柱に据えた。物流効率化と災害時の輸送網確保を見据え、幹線輸送の安定性向上につなげる考えだ。
ドライバーの労働環境に関しては、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアや道の駅で大型車、トレーラー用の駐車マスが不足していると指摘した。大型車用マスの幅を現在多く採用されている3.25メートルから3.5メートルへ広げることや、シャワー、コインランドリー、コンビニエンスストアの充実を提案。長距離輸送の中間地点でトラクター交換やドライバー交代を行う中継物流拠点についても、首都圏-東北圏、首都圏-近畿圏、近畿圏-福岡圏などへの全国展開を想定している。
予算・施策関係では、軽油引取税の暫定税率廃止後も継続される運輸事業振興助成交付金について、27年度以降も現行と同等の財源確保を求める方針を明記した。中東情勢の緊迫化により、軽油、エンジンオイル、尿素水、ストレッチフィルムなどで供給制限や価格高騰が起きているとして、安定供給策と価格抑制措置の継続も盛り込んだ。事業継続を下支えする燃料対策の強化を訴えている。
運賃面では、運送原価やドライバーの賃上げ原資を十分に転嫁できていないとして、標準的運賃のほか、積込・取卸料、待機時間料、燃料サーチャージを確実に収受できる環境整備を重視した。トラック適正化2法に基づく許可更新制度と適正原価制度については、荷主への価格転嫁につながる実効的な制度設計を要望。原価把握や運賃交渉を支える仕組みづくりも焦点に据えた。
物流効率化策としては、労務管理、原価計算、配車などのシステム導入、荷役省力化機器や点呼支援機器の導入、自動運転トラック、スワップボディコンテナ車両、共同輸配送、中継輸送への支援を列挙した。外国人ドライバーや外国人倉庫作業者の採用、安全教育、日本語研修、外免切り替えも支援対象に含めた。人材不足と長時間労働の双方に対応する施策として位置付けている。
このほか、電気・燃料電池トラックの導入補助、充電・水素供給インフラの整備、電動化に伴う車両重量増加を踏まえた総重量規制の緩和を盛り込んだ。物流施設用地の確保に向け、市街化調整区域で一般貨物自動車運送事業者が施設を整備しやすくする制度改正も要望事項。貨物集配中の車両に対する駐車規制の見直しも論点に加えている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。
































