国際欧州委員会は14日、ドイツ政府が半導体サプライチェーン上の4施設に総額6億5900万ユーロを支援する計画を承認したと発表した。欧州初となる製造設備の整備を後押しし、半導体の域内供給力とサプライチェーンの強靱化を図る。支援は連邦政府と各州政府が共同で負担する。
内訳は、エレメント3-5がノルトライン・ウェストファーレン州ベースヴァイラーに建設する炭化ケイ素(SiC)エピウエハー工場に3億5300万ユーロ、ヴィシェイ・シリコニクス・イッツェホーがシュレスウィヒ・ホルシュタイン州イツェホーで整備するパワーMOSFET工場に2億1400万ユーロを拠出する。さらに、マイクロエレクトロニック・インスペクション(KLA)がヘッセン州ヴァイルブルクに新設する半導体製造向け光学計測装置工場に7440万ユーロ、ケテックがミュンヘンに設ける高機能検出用チップの生産ラインに1790万ユーロを支援する。
エレメント3-5の新工場では、従来型SiCウエハーより高性能なエピウエハーを生産し、自動車、産業機器、通信、エネルギー分野への供給を想定する。ヴィシェイは、自動車や産業機器などで高電圧・大電流の制御に使う次世代パワーMOSFETを製造する。KLAは半導体量産時の工程管理や品質管理に使う光学計測装置を、KETEKは産業用選別・リサイクル設備などで使われる検出器向けチップを生産する。
各社は支援の条件として、大学や研究機関との連携強化、供給不足時の優先供給、専門人材の育成、想定を上回る利益の一部還元などを受け入れた。欧州委員会は、4案件はいずれも欧州域内で初の生産能力を構築するもので、支援がなければ投資が実行されない可能性が高いと判断した。
EUは半導体分野で域外依存の低減を進めており、今回の支援を含む過去の承認案件は累計142億ユーロに達する。製造設備だけでなく、計測装置や高機能部材まで域内に確保することで、供給途絶時の対応力を高める狙いがある。
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