荷主日立製作所は16日、米エヌビディアと協業し、工場や社会インフラで稼働する複数のAIエージェント、ロボット、設備を統合制御する「マルチエージェント・オーケストレーション・プラットフォーム」を開発すると発表した。日立以外のメーカーが提供する既存設備や機器も接続対象とし、現場全体の最適化と自律運用を目指す。
新基盤では、日立が開発した社会インフラ知能基盤モデル「IWIM」と、NVIDIAの世界基盤モデル「Cosmos」を接続する。設備の物理的な制約や安全規則、運用条件をデジタルツイン上で再現し、AI(人工知能)が出す制御指示を実機へ適用する前に検証する。AIの誤認識や不適切な判断に伴う設備の誤作動を抑える狙いがある。
さらに、エヌビディアのエージェント開発基盤やセキュア実行環境、オープンAIモデルを活用し、複数のAIエージェント間でタスクを振り分ける仕組みを構築する。制御バルブ、四足歩行ロボット、小型カメラロボットなど、制御方式の異なる機器の状態をエッジ側でリアルタイムに把握し、現場状況に応じた協調制御を検証する。
物流や製造現場では、搬送ロボット、荷役設備、監視カメラ、基幹システムなどが個別に導入され、メーカーや通信仕様の違いが全体最適の障壁となっている。日立は、オープンな接続性を確保する一方、企業の機密情報や運用データを保護するソブリン性を持たせ、旧来設備から最新ロボットまでを一体的に制御できる環境を整える。
技術の社会実装では、米子会社グローバルロジックのデジタルエンジニアリング人材と、日立が持つOT(制御・運用技術)の知見を組み合わせた専門チーム「Physical AI FDE」が顧客現場に入り、用途設計やシステム構築を支援する。ロボット、モビリティー、エネルギー、産業設備分野の企業との共同検証を進め、成果をAIソリューション群「HMAX」の機能拡充につなげる。
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