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供給減で物流賃料上昇、東京・大阪の空室改善

2026年9月4日 (金)

調査・データジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)は、2026年第2四半期の国内不動産市場動向をまとめた「Japan Market Dynamics」を公表した。物流施設市場では、EC(電子商取引)や3PL事業者を中心に需要が底堅く推移し、東京圏と大阪圏で空室率が低下した。一方、福岡圏では新規供給が需要を上回り、空室率が9.2%まで上昇するなど、地域による需給の差が鮮明となった。

東京圏の大型物流施設では、第2四半期の新規需要が10万6300坪、新規供給が7万3000坪となった。供給量は過去5年間の四半期平均17万5600坪を大幅に下回った。新築4棟のうち2棟は高稼働で竣工した一方、供給が集中する地域やインターチェンジから距離のある物件では低稼働での竣工もみられた。

ただ、既存施設では空室消化が進み、東京圏の空室率は前期比0.5ポイント低下の7.7%となった。低下は4四半期連続で、前年同期からは2.6ポイント改善した。竣工当初は賃料の高さからテナント誘致に苦戦していた物件にも需要が広がりつつあるという。

平均賃料は月額坪当たり4836円で、前期比0.3%、前年同期比2.8%上昇した。建築費の上昇を背景に新築施設の賃料が上がり、既存施設にも波及している。需給の引き締まりを受け、消費者物価指数に連動して賃料を見直す「CPI連動条項」の導入や、契約期間を短くするオーナーも増えている。金利上昇に伴い想定キャップレートは3四半期連続で上昇したものの、賃料上昇がこれを相殺し、想定価格は前期比横ばいとなった。

大阪圏では新規需要が5万5300坪となり、新規供給の4万7800坪を上回った。既存施設でも空室消化が進み、空室率は前期から0.3ポイント低下して1.8%となった。平均賃料は月額坪当たり4338円で、前年同期比3.2%上昇した。空室が少ないことから貸し手側が優位な状況となっており、退去が発生した既存施設で募集賃料を従来比1−2割引き上げる例も出ている。

JLLは、大阪圏では2026−27年の新規供給が25年を大きく下回るとみており、空室率は1−2%台の低水準が続くと予測する。供給計画は京都エリアに偏っており、それ以外ではタイトな需給が続く可能性が高い。

一方、福岡圏では新規需要2万1800坪に対し、新規供給が3万6200坪となり、空室率は前期比2.1ポイント上昇の9.2%に達した。鳥栖エリアを中心とする大型施設の竣工や既存物件での空室発生が押し上げ要因となった。ただ、熊本や北九州では築浅施設の空室消化が進んでおり、ECに加えて半導体、自動車関連など製造業の物流需要が市場を支えている。

福岡圏の平均賃料は月額坪当たり3623円で、前年同期比2.0%上昇した。下半期にも鳥栖エリアを中心に4万坪程度の供給を控えており、JLLは立地や仕様、区画の柔軟性などによる物件選別が一段と進むとみている。

▲日本の投資額の推移(クリックで拡大、出所:ジョーンズ・ラング・ラサール)

物流施設の投資市場では、金利上昇がキャップレートへの上昇圧力となる一方、賃料成長が価格下落を抑える構図が続く。JLLは今後も、交通利便性や施設仕様に優れ、賃料上昇余地の大きい物件を中心に投資家の選好が強まると予測している。国内商業用不動産全体でも、26年上半期の投資額は前年同期比17%増の3兆7517億円と過去最高を更新しており、物流施設でも金利と賃料成長の綱引きが投資判断を左右する局面が続きそうだ。

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