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持続可能な物流へ、トラックマイル構想とデジタル荷札の連携策をロジザードが提示

物流危機の打開へ、運転手と貨物主役の新システム

2026年9月8日 (火)

イベント運送業界に迫る人手不足と倒産の連鎖を断ち切り、運転手と貨物を主役に据えた新たな物流データ基盤が動き出す。クラウド型のWMS(倉庫管理システム)を提供するロジザードは8日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「国際物流総合展2026」のセミナーに登壇し、新たな構想を打ち出した。

同社社長の金澤茂則氏と、LOGISTICS TODAYの赤澤裕介社長兼編集長が対談し、個人の運行実績を資産化する手法と、企業間で貨物情報を共有するデジタル荷札の連携策を提示した。

▲ロジザードの金澤茂則社長

物流業界は労働時間の短縮や中小企業の倒産増加に直面し、輸送力の低下を招いている。赤澤編集長は、運送会社の集約が進む現状に強い危機感を示した。政府が算出した輸送力不足の予測値には、倒産にともなう数万人の運転手の離職が含まれていないと指摘し、その打開策として「トラックマイル構想」を提唱した。

同構想は、航空機のパイロットのように、無事故や走行距離などの運行実績を運転手個人の資産にする枠組みである。実績を第三者が証明し、転職時にもデータを引き継げる仕組みを整える。専門職としての運転手の価値を高め、地位を押し上げる狙いを持つ。対談のなかで赤澤編集長は、運転手本人に実績を帰属させ、運送業の民主化を実現したいと強調した。

▲本誌・赤澤裕介編集長

金澤社長はこの問題意識に賛同し、物流を維持するためには貨物も主役に据える必要があると応じた。その中核を担う技術が、同社が出展した共通デジタル荷札「Bit Waybill(ビットウェイビル)」である。パレットなどの貨物単位で共通の識別番号を付与し、出荷から納品までの履歴を改ざんが困難なブロックチェーン技術で記録する。特定の企業がデータを独占する状態を防ぎ、参加企業全員が安全に共有できるデータベースを構築した。

金澤社長は、テクノロジーの進化により誰もが利用できる共有インフラがようやく実現可能になったと語った。今後はAI(人工知能)を活用して膨大な貨物情報を解析し、企業をまたいだ共同輸送を容易にしていく構えだ。

このデータ基盤が稼働すれば貨物情報が結びつき、複数企業でのリレー輸送や荷物の混載を円滑に進められる。積載率を高め、運転手の負担を大幅に減らすことが期待される。さらに、個人や中小事業者でも導入可能なインターフェースを備え、業界のボトム層からデジタル化を浸透させる狙いがある。

セミナー内で本格的な稼働時期を問われた金澤社長は、10月には具体的な稼働日を示す構想だと答えた。今後は、本誌が企画する「運びと地位向上全国キャラバン」の静岡開催などにも参加し、荷主や運送事業者と現場の議論を深めていく。貨物と運転手、運送会社をデータで結びつけ、持続可能な物流インフラの確立を目指す。

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