イベント中京陸運(名古屋市熱田区)は8日から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「国際物流総合展2026」に出展した。多様な車種をそろえ、輸配送、3PL事業を展開し、中京地方を拠点に全国への物流網を持つ同社取締役の鷹見政重氏に、話を聞いた。
足元の物流市況について鷹見氏は、「倉庫は全体として満床に近い状態だが、近隣の大型施設には空きがあるという話も耳にする。ただ、荷動き全体としてはそれほど活発な印象は受けていない」と指摘する。

▲中京陸運ブース
取扱品目については、「自社の取扱いで言えば、一般雑貨系の輸送はあまり振るわないが、タンクローリーを用いた液体輸送は堅調に推移している」と語る。「具体的には液糖やガソリン、危険物などを扱っている」と、同社の強みである分野の状況を説明した。
堅調な液体輸送だが、特有の課題も抱えている。タンクローリーの運行について鷹見氏は、「一部例外もあるが、基本的に帰り荷は発生しない」と明かす。
そのため往復コストの回収が課題となるが、「なるべく往復分のコストを運賃に反映させたいが、現状では往復料金として収受できるケースは少ない」と語る。例えば名古屋−関東間の運賃について、「片道10万−12万円程度で受けることが多いものの、往復分の20万−24万円相当をそのまま請求することは現実的に難しい」と厳しい実情を吐露する。さらに、「高速料金の別途請求を提案しても、荷主から『運賃一式での提示でないとわかりにくい』と難色を示されることもある」と、コスト転嫁の難しさをにじませた。
業界全体における運賃交渉の現場については、「国土交通省が示す適正運賃の資料などを交渉材料に活用しようとする機運はある。しかし、他社に仕事を切り替えられる懸念もあり、『運賃を見直してもらえないなら運ばない』といった強気な交渉には踏み切れないのが実情だ」と打ち明ける。
特に競合の多い車種について、「10トンウイング車などでは、いまだに著しく低い運賃で引き受ける事業者が存在する」と指摘する。「1日貸し切りの常用運賃は、月20日稼働で100万円程度が通例とされてきたが、中には1日1万5000円といった単価で走るケースも見受けられる。それでは減価償却や次の設備投資が成り立たない」と、行き過ぎた低運賃競争に警鐘を鳴らす。
最近の傾向として、「運賃の値上げ自体は以前より提案しやすくなり、荷主の理解を得られるケースも増えて改善傾向にはある」としつつも、最終的な見解として「しかし、適正原価の実現という観点に立つと、状況はまだあまり変わっていないと感じている」と冷静に分析している。
同社ではタンクローリーなどの特殊車は堅調とのことで、その他の分野でも全体の台数が少ない平ボディは底堅い需要がある。とはいえ全体で言えば箱車の需要が多く、ほかの車種に切り替えるというのも容易ではない。業界の健全化を目指して各種法制度が改正さているが、破格のダンピングで仕事を取ろうとする事業者は依然として存在しており、健全な経営を行っている事業者の経営を圧迫している面がある。事業許可更新制の実運用が始まるのを待たず、業界の自浄作用が働くことを期待したい。
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