調査・データフェデックス(米国)は23日、フロスト&サリバンと共同で、アジア太平洋地域の半導体サプライチェーンに関する調査報告書を発表した。AIや高性能コンピューティング、EV、次世代通信技術の需要拡大を背景に、半導体生産やデジタルインフラ投資が増え、域内のサプライチェーンが複雑化していると分析した。
報告書によると、アジア太平洋地域は世界の半導体産業売上高の58%を占める。中国本土は域内市場の半分以上、世界市場の30%近くを占める。台湾は世界の半導体ファウンドリー生産の60%を担い、韓国はメモリー半導体、日本は製造装置や材料、東南アジアは組み立て、パッケージング、検査でそれぞれ重要な役割を持つ。
フェデックスが9月2日から4日に台湾で開催された「SEMICON Taiwan 2026」で478人を対象に実施した調査では、中国本土、香港、台湾、東南アジア、日本のいずれかで今後3年間に半導体需要が大きく伸びるとみる回答が8割に迫った。中国本土、香港、台湾で最も強い需要増を見込む回答は40%だった。
また、35%が今後3年間にアジア太平洋地域内の別市場へ生産拠点を広げると回答し、25%は域内または世界で調達先を増やす、もしくは分散するとした。一方、今後の成長を妨げる最大の要因として30%が地政学的な混乱を挙げ、運営コストの上昇や越境貿易、通関手続きの複雑化を上回った。
物流面では、44%が今後3年間に物流・サプライチェーン事業者を選ぶ際、国際輸送の迅速性を最も重視すると回答した。AI向けデータセンターの増設に伴い、半導体だけでなく高密度サーバー、ネットワーク機器、冷却設備、電源装置などの輸送需要も拡大している。
報告書では、地政学的リスクや規制の複雑化を背景に、従来のジャストインタイム型の運用に加え、生産・調達地域の分散や在庫の積み増しを組み合わせる動きが広がっていると指摘した。半導体物流では輸送速度だけでなく、貨物の可視性や供給網の強靱性が一段と重視されている。
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