ロジスティクス米物流大手CHロビンソンは26日、海上輸送、航空貨物、通関業務向けに新たなAIエージェントを導入したと発表した。これまでトラック輸送などで活用してきた独自の「Lean AI」の対象を国際フォワーディング業務に広げ、運賃見積もりや船腹予約、米国通関に伴う書類処理の自動化を進める。
海上・航空貨物の運賃見積もりでは、すでに3600社を超える顧客向けに8万件以上をAIで処理した。従来は航空貨物で1日、海上貨物で2-3日かかっていた見積もりを、2-3分まで短縮したという。海上輸送では、毎週寄せられる数千件のブッキング依頼についてもAIによる処理を開始した。
国際輸送の見積もりでは、複数のAIエージェントを連携させる。例えば上海発貨物では、利用する港やターミナル、陸送距離、通行料金、発着地のターミナル料金などを確認し、輸送経路を判断する。荷主が港を指定していない場合には、集荷地点や運航頻度などのデータから利用港を選び、トラック、鉄道、バージによる内陸輸送や混載拠点も含めて候補を提示する。
海上・航空貨物の運賃見積もり機能は、2025年に米国とカナダ向けのLCL(小口混載)貨物で導入した。その後、FCL(コンテナ貸切)や航空貨物にも対象を広げ、メキシコ、欧州、中南米、オセアニアでも運用している。中国では試験導入中で、東南アジア、インド、中東、アフリカでは26年第4四半期中の提供開始を予定する。
海上貨物のブッキングを処理するAIエージェントは8月に中国で稼働を開始した。第4四半期にアジア各地域へ展開し、27年第1四半期には世界展開する計画。従来、海上・航空貨物の予約依頼は、デジタルフォームやデータ連携を整備しても自動化率が5%程度にとどまっていたとしており、サプライヤーごとに異なる依頼形式もAIで処理する。
米国通関では、荷主や輸送事業者、政府機関から受け取る40種類を超える書類の分類、貨物情報とのひも付け、必要データの抽出、不足書類の確認などを自動化した。これまでに関連業務の所要時間を23%削減したとしている。通関士は内容確認や法令順守など、人による判断が必要な業務に重点を移す。
同社は23年から独自AIエージェントの開発を進め、現在は数百種類を運用する。社内のソフトウエアエンジニアやデータサイエンティスト450人を抱え、トラック輸送や4PLに加え、国際フォワーディングでもAI活用を拡大する方針だ。
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