M&A自動車部品メーカーのイクヨは26日、カーケア関連商品の販売を手がけるムラキに対し、1株3000円で株式公開買い付け(TOB)を実施する予定だと発表した。現在17.01%を保有する筆頭株主で、最大48万6300株を追加取得し、議決権割合を50.13%まで引き上げて経営支配権の取得を目指す。買付総額は上限まで取得した場合で14億5890万円となる。TOB後もムラキの上場は維持する方針だ。
買付価格3000円は、発表前営業日の23日終値1458円に105.76%のプレミアムを加えた水準。買付予定数に下限は設けない。ムラキ取締役会の賛同や、同社が導入する買収防衛策に基づく対抗措置が発動されないことなどを開始条件としており、現時点でTOBは始まっていない。手続きに最大180日を要することを踏まえ、2027年4月下旬の開始を目指す。前提条件が整わず、同年5月31日までに開始を決めない場合は提案を取り下げる。
両社を巡っては、イクヨが26年1月にムラキ株25万株を取得して筆頭株主となり、同月から事業提携を提案してきた。4月にはイクヨ側の役職員を含む取締役候補を推薦したが、ムラキは5月に受け入れなかった。イクヨは6月9日に追加の株式取得を提案し、9月中旬まで質疑を続けたものの、買付株数などを巡る協議が進まなかったとして9月17日にいったん提案を撤回した。今回、価格と取得株数を明示したTOB予告に踏み切った。
対立はその後も続いた。ムラキは9月24日、イクヨとBlue Goats Capital(東京都中央区)が買収防衛策で定める「共同協調行為等」に該当する行為を行ったと認定。これに対しイクヨは10月5日、認定は事実に反するとして撤回を申し入れた。イクヨが直ちにTOBを開始すれば、ムラキの買収防衛策に基づく対抗措置が発動される可能性があるため、今回のTOBも複数の前提条件付きとなっている。
イクヨは買収後、ムラキが持つ全国のサービスステーションや整備事業者向け販売網と、自社グループの自動車部品の製造・調達機能を組み合わせる。8月に事業取得を決めたEVモーターズ・ジャパン(北九州市若松区)のEVバス事業などとも連携し、サービスステーションを商用EVの充電・整備拠点として活用する構想を示す。物流面では、イクヨグループの調達網を活用した調達コストの削減や、物流・在庫・購買の効率化も検討する。
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