M&A三菱倉庫は10月30日、阪急阪神ホールディングス(HD)傘下の国際物流会社、阪急阪神エクスプレスの全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。株式取得額は1201億1000万円で、アドバイザリー費用を含む取得総額は1213億3700万円。許認可などを前提に、2026年度第4四半期の取得完了を予定する。三菱倉庫は阪急阪神エクスプレスを国際輸送事業の中核に位置付け、倉庫・海上輸送と航空輸送を組み合わせた総合物流サービスを拡大する。
株式取得に先立ち、阪急阪神HDは、セイノーホールディングス(HD)が保有する阪急阪神エクスプレス株式34%を254億7900万円で取得する。その後、阪急阪神HDが保有する全株式を三菱倉庫に譲渡する流れとなる。セイノーHDは今回の譲渡で阪急阪神エクスプレスとの資本・業務提携を解消する一方、国内輸送や倉庫、国際輸送などの業務委託に基づく取引関係は継続する予定。セイノーHDは株式売却に伴い、27年3月期に関係会社株式売却益120億円を特別利益として計上する見込み。
阪急阪神エクスプレスは航空・海上の国際輸送を主力とし、アジアを中心とする海外ネットワークを展開する。26年3月期の単体売上高は454億5400万円、営業利益は7億1300万円、最終利益は29億4200万円だった。グループでは36社、従業員3680人を抱える。三菱倉庫は、阪急阪神エクスプレスの航空輸送や顧客基盤と、自社の倉庫、海上輸送、国内外の物流拠点を組み合わせ、輸出入から保管、配送、海外現地物流まで一貫して提供する体制を構築する。
三菱倉庫によると、両社の25年度のフォワーディング売上高を単純合算すると1688億円となり、同社推計で国内4番手規模となる。海上フォワーディングに強い三菱倉庫と、航空フォワーディングに強い阪急阪神エクスプレスの顧客重複は限定的とし、相互の顧客へのクロスセルや調達力の向上、拠点・オペレーションの相互活用などを見込む。海外売上高比率も、単純合算ベースで20%から31%へ上昇する。ASEANや北米、インドでの取扱拡大に加え、医薬品、半導体、EV、保冷品など高付加価値分野の強化も進める。
一方、阪急阪神HDは今回の譲渡について、国際輸送分野ではグローバル大手を中心に再編が活発化し、スケールメリットを持つ大規模事業者が優位になるなか、阪急阪神エクスプレスの成長にはサプライチェーン全体へのソリューション強化や継続的な投資が必要と判断したとしている。複数候補による選定を経て、三菱倉庫の事業基盤や顧客基盤、投資余力などを評価し、譲渡先に選んだ。阪急阪神HDは株式譲渡に伴い、2027年3月期の連結決算で750億円程度の関係会社株式売却益を計上する見通し。
三菱倉庫は取得後、阪急阪神エクスプレスのブランドや専門人材を尊重しながら、取得完了後3年をめどに両社組織の効果的な統合を進める方針。海外現地法人については各地域の独立性や事業継続性を踏まえ、エリア別統括組織の設置や既存拠点の活用などを検討する。取得直後はのれん償却などで一時的な利益負担を見込むが、3年をめどに今回の買収単体でEPSへのプラス寄与を目指す。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集局にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集局直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集局
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。

































