荷主家電サプライチェーン協議会、流通経済研究所、富士通、ソフトバンクロボティクス(東京都港区)は2日、家電物流で段ボール外装の汚れや破損をAIで判定し、不要な持ち戻りや再配送の削減につなげる実証実験を開始した。家電メーカーから量販店までの物流を対象に、外装汚破損の判定基準を業界共通化し、2027年1月15日までAIの精度や現場運用性を検証する。
家電物流では、製品本体に問題がなくても、段ボール外装の擦れやへこみなどを理由に持ち戻りや再配送が発生する場合がある。判定基準が事業者ごとに異なり、現場担当者の経験に依存するケースも多いため、同程度の損傷でも拠点や担当者によって判断が分かれることが課題となっている。
実証では、家電メーカー、量販店、物流事業者が持つ既存基準をもとに業界共通の外装汚破損判定基準を策定する。その上で、富士通のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」の画像認識技術と、ソフトバンクロボティクスの外観検査AIを活用し、段ボール外装の損傷状態を統一基準で判定するモデルを構築する。
ソフトバンクロボティクスの仕組みでは、スマートフォンで撮影した外装画像をAIで解析し、設定した基準に基づいて判定する。富士通の技術は少量の画像データでも認識精度を高めやすく、判定理由も提示できるという。
実証では、AIモデルの精度に加え、判定基準の標準化、現場での使いやすさ、返品・再配送削減効果、サプライチェーン全体への適用可能性を検証する。不要な持ち戻りが減れば、輸送回数や現場作業の削減に加え、CO2排出や資材消費の抑制にもつながる。4者は実証結果を踏まえ、将来的には外装汚破損基準の公開や他業界への展開も検討する。
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