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三菱重工、アトモスから大型LPG船受注、新パナマ対応

2014年9月29日 (月)

荷主三菱重工、アトモスから大型LPG船受注、新パナマ対応三菱重工業は29日、アストモスエネルギーから大型LPG(液化石油ガス)運搬船を受注したと発表した。2013年末と14年春に同社から受注したものと同船型で、世界最高レベルの省エネ性能を誇り、世界の主要LPGターミナルに柔軟に対応できるほか、新パナマ運河にも適合した仕様となっている。完成・引き渡しは2016年下期。

受注したLPG運搬船は、長さ230メートル、幅36.6メートル、喫水11.1メートル。総トン数は4万8300トン(載貨重量トン数5万1100トン)、LPG積載量は8万3000立方メートルで、先の受注船2隻とともに長崎造船所で建造する。

同社独自の船型を採用したことなどにより、優れた燃費性能とLPGターミナルごとに異なるさまざまな接続条件への高い適応性を実現している。また、16年初めにも運用開始が見込まれる新パナマ運河を通過できるよう、係船装置なども世界最新の設備を搭載する。

アストモスエネルギーは現在、自社所有の6隻、他社と契約している定期用船15隻を合わせて21隻の大型LPG運搬船を運用しており、これらのうち自社所有船すべてと定期用船10隻の16隻は、同社長崎造船所で建造したものとなっている。

同社は現在、年間1000万トンのLPG取扱量を15年までには1200万トン超まで増やす中期経営計画に取り組んでおり、LPG輸送体制を拡充していく方針。今回の造船契約もこの方針を受けたもので、本船は同社が保有する老齢船の代替船として就航する。

同社は「米国のシェール革命により、極東を含めた世界市場で北米産LPGの需要増大が予想され、輸送距離の伸長や拡幅された新パナマ運河を使った輸送量の拡大が不可欠となっている。また、船舶運航も世界的に環境規制が強化されつつある。本船は、こうした状況を受けてアストモスエネルギーが進める最新鋭のLPG輸送船団整備計画に対応する」としている。