YKK、富山県黒部市に「窓のある精密機械工場」を建設

拠点・施設YKKは29日、ファスナー専用機械部品工場（工機工場）を富山県黒部市に建設すると発表した。

工機工場は技術の中枢である同社工機技術本部が、今後も黒部を中軸として将来のものづくりの進化に対応していくために、「社員が自ら考え、進化し続ける」ことをコンセプトに5年後10年後を見据えた将来の改善・改良、進化に対応できる自動化ラインの実現を目指すことを掲げている。

フレキシビリティを備えた工場にするとともに、精密機械部品の安定生産を担保するため、高度な温度・湿度・振動管理の実現と自然採光を積極的に導入。社員の働きやすさを両立するため、「窓のある精密機械工場へ挑戦」（YKK）する。

環境面では、自然エネルギー（光、水）を積極的に取り込み、自然採光や富山県黒部扇状地の地下伏流水（表層地下水の地中熱）を活用。使用エネルギーを従来から25％削減し、使用する工業用水量も70％減らす。

築50年が経過している既存の工場を取り壊した跡地に建設し、工場の生産効率を高めるために製造工程を見直し。機械部品の製造工程面積を従来の4万平方メートルから50％減の2万平方メートルに圧縮しながら、分散している製造ラインの集約も図る。機械組立ラインを直結させ、受注から出荷までの一貫生産工場を構築することで、生産リードタイムを50％短縮、生産コストを20-30％引き下げる。

■工機工場（ファスナー専用機械部品工場）の概要
名称：工機工場（ファスナー専用機械部品工場）
所在地：富山県黒部市吉田200
生産品目：YKKファスニング事業向け生産ラインでの専用機械部品、金型など
生産能力：専用機械部品200万個／年、専用機械金型1000セット／年
延床面積：2万6069平方メートル
構造・階数：鉄骨造・地上2階
着工：2014年12月
操業：2016年4月
投資額：78億円（設備投資含む）
主な設備：ファスナー専用機械部品生産ライン、金型部品生産ライン
設計・施工：竹中工務店