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トッパン・フォームズとNEC、新たな温度管理トレーサビリティ

2011年7月22日 (金)

メディカルトッパン・フォームズ(東京都港区)とNECは22日、高機能保冷剤「メカクール」を活用した付加価値サービスとして、SaaS型の温度管理トレーサビリティサービスの提供を開始する。

 

これまで保冷・輸送の温度管理は、トラックや倉庫に固定された温度測定器で定点的に測るのが中心で、出荷から納品まで途切れなく温度変化をトレースしたいというニーズへの対応は不十分だった。しかし、安全・安心への意識の高まりから、「保冷・輸送中の一貫した温度管理を把握したい」というニーズが急激に高まったことから、新サービスの提供に至った。

 

これまで医療・食品など、冷蔵や冷凍が必要な商品を扱う業界での保冷・輸送業務では、主にドライアイスが使用されてきた。これに置き換わる仕組みとしてトッパンフォームズでは、環境を考慮した高機能保冷剤「メカクール」を活用し、保冷・輸送業務向けに提供。NECでは、温度・湿度・衝撃センサ付きRFIDタグを活用したSaaS型クラウドサービス「物流品質トレーサビリティfor SaaS」を提供してきた。

 

最適な高機能保冷技術を持つトッパンフォームズと温度管理のSaaS型クラウドサービスを提供しているNECが協業することで、保冷・輸送業務の温度管理の可視化を実現し、出荷から納品までの低温維持と一貫した温度履歴情報の管理を可能とした。

 

新サービスは、繰り返し使用可能な高機能保冷剤メカクールと温度センサー付きRFIDタグを内蔵した、医療分野での検体、治験薬の保冷・輸送用特殊内箱付高機能保冷箱、食品の保冷宅配用3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)高機能保冷箱により、適切な温度を維持しながらの輸送と、保冷・輸送業務の品質可視化を実現。

 

SaaS型クラウドサービスのため、インターネット上で流通過程での温度、湿度、衝撃の記録データをいつでも保管、参照、取り出し、分析、レポートすることができる。また、複数拠点での輸送保管のトレーサビリティの一元管理も可能。このほか、「FeliCa」通信方式センサー付きRFIDにより、航空機輸送の流通過程の可視化も実現、「PaSoRi」「おサイフケータイ」対応携帯端末による現地での品質チェックも可能だ。

 

衛生管理を問題とする食品事故や、温度異常による品質問題をなくすため、ISO15189(臨床検査に関する国際規格)やISO22000(食品流通に関する国際規格)でも輸送・保管業務での品質管理が求められている。近年増えている宅配向けや保管倉庫の停電時の管理手段としても、温度管理トレーサビリティへの要望が高まっているため、両社ではいち早くこうしたニーズに応えていく、としている。

 

トッパンフォームズは、今後3年間で20億円の販売を目指す。