楽天とウォルマートが提携、日本でネットスーパー展開

M&A楽天と米小売大手のウォルマート・ストアーズ・インクは26日、日本でのネットスーパー事業や米国での電子書籍販売など、両者の強みを活かした戦略的提携を行うと発表した。

まずは、7-9月をメドに、日本でネットスーパー事業の協働運営を開始する。米国では年内に、ウォルマート社の実店舗や「Walmart.com」で、「楽天Kobo」の提供する電子書籍やオーディオブック、電子書籍リーダーなどを量販店として独占販売する。

楽天と、ウォルマート社の日本子会社である西友は、日本でネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協働運営することを目的に、新会社を設立することに基本合意した。楽天と西友は両社の強みを活かし、日本の顧客ニーズに対応するネットスーパー事業を協働で運営する。

具体的には、配送能力の拡大、品揃えの拡充、利便性の強化を行う。配送は、西友の実店舗からの配送に加え、年内にネットスーパー専用の配送センターを設け、配送件数を大幅に拡大する。品揃えについては、西友の強みである「質」と「低価格」の両方を実現した商品を提供する。生鮮食品や日用品だけでなく、昨今の時短ニーズに対応したカット野菜や半調理食品、ミールキットなどの簡便商品の品揃えを拡充するとともに、楽天ならではの「お取り寄せグルメ」も取り揃える。

利便性の強化には、楽天が培ってきたECノウハウを活用し、ユーザーにとって利便性の高いサイト構築をはじめ、ビッグデータやAIを活用した最適な商品の提案を行う。さらに、楽天の運営するポイントプログラム「楽天スーパーポイント」を「楽天西友ネットスーパー」に導入し、ポイントを貯めたり使ったりできるようにすることで、顧客の便利性を高める。

一方、米国では電子書籍サービス「楽天Kobo」を展開する。楽天グループのRakuten Kobo（カナダトロント市）とウォルマートは、米国での「楽天Kobo」の量販店としてウォルマート社が独占販売を行うことに合意。これにより、年内に楽天Koboが取り扱う数万の出版社や数十万の著者による電子書籍やオーディオブック600万作品をWalmart.com利用者に提供する。さらに、4000を超える実店舗ではデジタルブックカードを販売する。

また、楽天Koboが取り扱うすべての電子書籍コンテンツが、ウォルマートと楽天Koboの両ブランドを冠した無料アプリ利用できるようになるほか、パソコンのデスクトップアプリや、年内にウォルマートで販売される楽天Koboの電子書籍リーダーでも読むことができるようになる。